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ブックマーク / note.com/negadaikon (11)

  • 「学生」と「生徒」|negadaikon

    高校と大学での違いについて、1年生向けの必修授業で毎年喋っている気がする話題である。 高校までは学習指導要領があるんだけど、大学には無いんだよとか。あるいは高校でもらえるのは「生徒手帳」だったと思うけど、君たちがオリエンテーションでもらったのは「学生便覧」だよね?とか。「学生」と「生徒」の違いの話もある。 ゼミ生が自分たちを「生徒」と自称しているとやっぱりちょっと引っ掛かるというか、君ももう成人してるだからそういうのやめよ?…みたいな恥ずかしさを軽く覚えてしまう自分がいる。 大学生は「生徒」ではありません。「学生」です。何が違うのか。 高校までは生徒でした。先生が間違いのないことを教えてくれ、あなたたちは、それをそのまま受け止めていればよかったからです。まさに「先生の徒(教え子)」です。しかし、大学は違います。先生が教えていることは100%間違いのないこととは言えないからです。先生の言うこ

    「学生」と「生徒」|negadaikon
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    Guro 2024/04/16
  • 谷口功一『立法者・性・文明』|negadaikon

    白水社刊行の論文集。著者よりお送りいただいた。 昨年は、父親の病気や介護のこともあり、ほとんどすべてのことを実家住まいの母親と弟に見てもらったとはいえ、私も頻繁に帰省した。その折に携え、実家に向かう西小泉に向かう電車の中で読み終えた。その後ほどなくして父が不帰の客となったので、このときの帰省が、実質的に父と最期に言葉を交わした機会になった。 だから余計に色々な意味で忘れられない一冊になった。 立法者とは何なのかとか、『ソクラテスの弁明』を抱いて亡くなった菅季治の話とか、印象的な話題が続くのだが、以前、初出誌(『アステイオン』83号掲載掲載)をいただいたときにそこまで読み込めていなかった第七章の多文化主義をめぐる論稿も、新たな気持で読むことができた。 なおこのパートはWebでも読める模様である。 福祉国家体制はドメスティックな再分配を前提とする。という明快なテーゼは、以前よりもはっきりした実

    谷口功一『立法者・性・文明』|negadaikon
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    Guro 2024/02/06
  • 新国立国会図書館サーチ(NDLサーチ)を試してみる|negadaikon

    2024年1月、国立国会図書館サーチと、国立国会図書館オンラインが統合されて新しく新「国立国会図書館サーチ」となった。 関係者の方々、おつかれさまです。 白を基調にした明るい画面になった。 NDLオンラインが蔵書検索と申込システムで、NDLサーチがNDLを含む全国の図書館(公共図書館等)の蔵書検索と役割が若干違っていたので、その辺はどう調整するんだろう、などと思ったら検索対象を選択するチェックボックスがついていた。それはそうかと納得。 2012年に格稼働してから、NDLサーチは「情報の種類や所蔵機関を意識することなく、上記を含めた様々な内容・形態の情報・文献を一度の検索で探すことができ」る(「新しい統合検索サービス 国立国会図書館サーチ」『国立国会図書館月報』604・605号、2011年)を目指してきたところではあるし、今回の統合は、長い時間をかけて歩んできた道のたぶん一つの大きな達成に

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    Guro 2024/01/11
  • 新書『帝国図書館』執筆余録~年表のはなし|negadaikon

    拙著『帝国図書館―近代日の「知」の物語』(中公新書)をお買い上げくださった方、すでにお読みいただいた方、どうもありがとうございます。当に感謝しております。 書刊行後、何人かの友人から、どうやって書いたのか、どのくらい時間をかけたのか聞かれました。その回答かたがた、執筆余録として書き残しておこうかと思います。 執筆期間ですが、準備期間含めて入稿まで3年半、腰入れて書き始めてからはだいたい1年弱です。 準備期間として、まず年表作成にかなり時間がかかりました。 書のあとがきにも書いたとおりですが、このは帝国図書館文書『上野図書館沿革史料集』の記事を一つ一つExcelに入力することから始めました。 これは、支部上野図書館時代の職員の方が、帝国図書館文書などを見て重要と思われた事項を抜き書きしたものです。 リンク先のデジコレの画面をご覧いただけるとわかると思うですが、1つの文献から複数の

    新書『帝国図書館』執筆余録~年表のはなし|negadaikon
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    Guro 2023/05/24
    途方もない。。/新書にしてかなりの充実ぶり(それは本来の新書であって、昨今の新書と比べてだが)だと思ったのだが、歴史家として膨大な作業の上に成り立っていることを改めて。
  • 長尾宗典『帝国図書館――近代日本の「知」の物語』目次|negadaikon

    中公新書の1冊として拙著『帝国図書館――近代日の「知」の物語』が間もなく刊行されます。見が届きました。 出版社側からも了解をいただいたので、目次を掲載しておきます。 歴史読書にご関心のある方、また図書館って何だろうと感じた方に届けば幸いです。どうかよろしくお願いいたします。 まえがき 序 章 近代日図書館 1 図書館の受容 「思想」を仕入れる場所 昔の図書館の姿 翻訳語としての「図書館」 文庫・書籍館・図書館 2 国立図書館 図書館の種類 世界の国立図書館制度 コラム1 帝国図書館史研究のあゆみ 第一章 多難なる船出 1 書籍館誕生 政府による図書館の設置 文部省設立と市川清流の建白 文部省博物局書籍館の設立 2 博覧会事務局との合併・分離 博覧会事務局との合併 田中不二麿の分離要求 博覧会か図書館か 浅草文庫のこと 3 東京書籍館 東京書籍館の出発 資料収集と納制度 目

    長尾宗典『帝国図書館――近代日本の「知」の物語』目次|negadaikon
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    Guro 2023/04/13
  • 本が出ます 『帝国図書館――近代日本の「知」の物語』|negadaikon

    近代国家への道を歩み出した明治日。国家の「知」を支えるべく国立の図書館、帝国図書館が作られた。しかし、その道のりは多難であった。「東洋一」を目指すも、慢性的に予算が不足し、書庫は狭隘で資料を満足に保管できなかった。戦時には資料の疎開にも苦しんだ。そのような帝国図書館に、人々はどのような思いを抱いて通ったのか。書は、その前身の書籍館から、一九四九年に国立国会図書館へ統合されるまでの八〇年の歴史を活写する。 出版社内容紹介文どうかよろしくお願いいたします。 なお、偶然タイミングが重なったのですが、国際子ども図書館でも3月末から帝国図書館展をするのだそうです。なんとか早めに行きたいです。

    本が出ます 『帝国図書館――近代日本の「知」の物語』|negadaikon
  • 何のために歴史を学ぶのか?|negadaikon

    「何のために歴史を学ぶのか?」 割と長い間、この問いに答えあぐねてきた自分がいる。恥ずかしい話だが、歴史学を専攻していた大学生の頃、私はこれにほとんどまともに答える事ができなかった(問題意識の高い周囲に対して若干の引け目を感じつつ、いかにウジウジしていたかについては拙著『〈憧憬〉の明治精神史』のあとがきにも書いた)。 それでも学生のころは、鹿野政直『歴史を学ぶこと』などのを読んで、この問題をひとりで考えたりしていた。 過去を知らないと、現在が絶対化されるのです。その意味で、過去を知ることは現在を相対化する。現在というのは、私がよく使う言葉ですが、秩序としてあるのです。秩序というとすぐ法を思い浮かべます。が、秩序をつくっているのは法だけではない。法は外を規制するのだけれども、道徳はさらに内面を規制する。もっとソフトだけれども、もっと規制力を持つのは慣習でしょう。「ぼくはどっちでもいいんだけ

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    Guro 2022/05/25
  • 国立国会図書館の個人向けデジタル化資料送信サービス開始|negadaikon

    みんな大好き、国立国会図書館デジタルコレクションのお話。 ※著作権法で認められた範囲を超えるためと思われますが、個人送信対象資料のスクリーンショット、ネットへのアップロードはNGなはずですので、写真は載せてません。 ※利用規約、以下のTwitterでも紹介されています。 「個人向けデジタル化資料送信サービス」の利用には、国立国会図書館オンラインへのログインの際に表示される「利用規約」の確認・同意が必要です。なお、「利用規約」の内容は、こちらでも参照が可能です。https://t.co/A3S7lI2GZw — 国立国会図書館 NDL (@NDLJP) May 19, 2022 5月19日から、国立国会図書館デジタルコレクションの収録資料のうち、これまで国立国会図書館(以外 NDLという。)の館内、または特定の図書館内(※)でしかみられなかった資料が、登録利用者でも見られるようになった。 (

    国立国会図書館の個人向けデジタル化資料送信サービス開始|negadaikon
  • 次世代デジタルライブラリー以後の歴史研究|negadaikon

    筑波大の大学院で日の近代史(社会史・文化史)を、同比較文化学類で日研究コースの担当をしています。 このnoteでは、いただいた仕事・研究で読んだ、授業で話すための小ネタ集、その他教育研究活動の一部の紹介をしていこうと思っています。

    次世代デジタルライブラリー以後の歴史研究|negadaikon
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    Guro 2022/04/29
  • CiNii Researchの印象|negadaikon

    論文の情報のほかに、CiNii Booksのデータ、科研、IRDBに入ってる各大学の機関リポジトリ搭載の成果物(紀要類ほか)、医中誌なども引けるらしい。ごちゃごちゃしないのかな?と思ったが、案外杞憂のようである。 近年、オープンサイエンスの考え方が浸透し、文献だけでなく研究データやプロジェクト情報など、研究活動に関わる多くの情報が公開される傾向にあります。 この流れを受けて、CiNii Researchを公開しました。CiNii Researchでは文献だけでなく、外部連携機関、機関リポジトリ等の研究データ、KAKENの研究プロジェクト情報などを含めて、シンプルなインターフェースから気軽に横断検索することができます。 CiNii Researchについて(https://support.nii.ac.jp/ja/cir/manual_outline)新しいものが出ると前の方が良かったという

    CiNii Researchの印象|negadaikon
    Guro
    Guro 2022/04/24
  • 書籍館のほんとうの開館日|negadaikon

    2022年は一応150周年ということもあるので、人々の思い込みやネットの情報はなかなか間違っても直すのが難しいけれど、少しでも間違う人が減ればと願って書いておく。 国立国会図書館の前身である書籍館(しょじゃくかん)は、文部省によって明治5年、湯島の聖堂内に設置された。 ネット情報だけでなく、紙の辞書でも、4月2日を図書館開設記念日としているものがある。その理由は、日で最初の近代図書館である「書籍館」が設置された日だと説明されているのである。でも、これは正しくない。なぜなら、書籍館の開館日は8月1日(旧暦)だからである。 証拠を出したい。国立国会図書館デジタルコレクションの『博物館圖畫并書籍館借覽規則等』に綴られている規則には、こんな風に出て来る。 以上、国立国会図書館デジタルコレクションより明治5年6月の2枚目の画像の借覧規則のところに、朱印で「開館来ル八月朔日」と捺してある。朔日とは月

    書籍館のほんとうの開館日|negadaikon
    Guro
    Guro 2022/03/31
    長尾さんによる図書館記念日の誤謬を正す運動の投稿。リンク先の誤りの元を見つける論考は、何度でも読んでしまう。
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