1800年代後半、日本とメキシコの間に国交さえなかった頃。 金星の接近を観測するため日本にやってきたメキシコの観測団は、日本に観測所を建てる、どころか、どこで観測して良いかも判らないといった状態でした。 とはいえ、わざわざ遠方から学術研究の為に日本に来たメキシコ人。 その使命感に敬意を感じた日本政府は、当時外国人の居住さえ認められていなかった横浜に観測所を建てることを許可しました。 特例中の特例の扱いに、メキシコの観測隊も感動。 代わりに、日本人実習生をこの観測に受け入れることを申し出ました。 スペイン語どころか、英語すらろくに話せない日本人実習生を、です。 日本もこれにはいたく感動し、快諾。 日本人実習生4人が、先進の天文学に触れることになりました。 「日本国民よ、日本を訪れる外国人との交流が日本の将来に影響ありとするなら、 今後の祖国繁栄を願って、外国人の意見を大いに摂取するがよい。