先週に発売された漫画誌「モーニング」(講談社)で、『ひらけ駒!』という将棋漫画の連載が始まりました。主人公は、将棋に熱中している小学生の《宝》と、その息子を暖かく見守る母親です。第1話では、親子が東京・千駄ヶ谷の将棋会館を初めて訪れます。 いつも安い駒で指している《宝》が、会館の売店にある高級な駒を見てほしがると、母親は「今度、《宝》が昇級したら、おじいちゃんに買ってもらうように頼んであげる」と励まします。そして会館を出るとき、白髪ロン毛の男性が後から歩いてきて、隣り合わせた親子に「にこっ」と微笑んで通り過ぎます(その誌面が上の写真)。親子は思わず顔を見合わせます。《宝》が「田丸昇八段だった…。本を持ってる…」と驚いたように言えば、母親は「優しそうな人だったねぇ」と印象を語ります。 じつは、私がその将棋漫画に出ることは、事前に何も知らされていませんでした。漫画誌を読んだ友人から聞いて初めて