原発を動かす限り増え続ける高レベル放射性廃棄物(核のごみ)をどこに埋めるのか。政府は、候補地探しが難航する現実を直視しなければならない。 長崎県対馬市の比田勝尚喜(ひたかつなおき)市長が、最終処分場建設に向けた第1段階である「文献調査」を受け入れないと表明した。それに先立ち、市議会は受け入れを求める請願を採択していた。 市長は住民の合意形成が不十分なことを理由に挙げた。水産業と観光業が風評被害に見舞われる懸念にも言及し「対馬の将来を左右する重要案件だが、市民の不安を払拭(ふっしょく)できない」と語った。 最終処分は、核のごみを専用の容器に入れ、地下深くに埋める。保管は数万年以上に及ぶ。 政府は2002年に候補地の公募を始めた。10カ所程度から絞り込みたい考えだが、具体的な動きは北海道の2自治体で進む文献調査にとどまる。 いずれも財政難と人口減少に直面している。文献調査に同意すれば、最大20
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