9月27日に予定される安倍晋三元首相の国葬について、岸田文雄首相が8日にも国会の閉会中審査に出席し、説明する。国葬に関しては、対象者の基準がなく実施は恣意(しい)的判断ではないか、弔意の強制にならないかなど論点は多いが、ここでは「法的根拠」に絞って疑問点を整理したい。 安倍氏の国葬について「法的根拠は何か?」「根拠法はあるのか?」と聞かれたら、あなたはどう答えるだろうか。戦前の「国葬令」は廃止されている。「ない」とか「不明確」と言うだろうか。それとも「閣議決定」「内閣府設置法」と答えるだろうか。 私は是非は別にして、最近まで「内閣府設置法4条3項33号」が政府が説明する法的根拠だと思っていた。一部報道でもそういう説明をしているところがある。しかし取材をしていて、その理解はやや不正確だということを知った。 ◇ 政府は閣議決定を根拠とすることは、はっきり説明しているが、内閣府設置法が根拠なのか
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