防衛費の増額を巡り、財源の一部を確保する特別措置法案について衆院本会議で趣旨説明をする鈴木俊一財務相。奥は岸田文雄首相=4月6日、竹内幹撮影 防衛費の増額を巡り、財源の一部を確保する特別措置法案が国会で審議されている。同法案は、新設する「防衛力強化資金」に、特別会計からの剰余金などの税外収入を繰り入れることを柱とするが、増税を含めた残りの財源の確たるめどは立っていない。加えて、岸田文雄政権が本腰を入れる少子化対策も財源の議論は始まったばかりだ。いずれも総花的な政策と理想とする支出の規模が先行する一方、実効性のある中身と確実な財源に関する議論が伴っていないように感じる。甘い見通しの財政出動に対する考え方は改めるべきだ。 北朝鮮によるミサイル発射などへの危機感から、政府は昨年12月に改定した安全保障関連3文書で、2027年度までの5年間の防衛費総額を計43兆円とした。防衛費はこれまで国内総生産