いつまで先送りを続けるのか。国の根幹に関わる課題に政治は正面から向き合わなければならない。皇位継承を巡る問題である。 皇位の安定には、女性皇族に継承資格を認めるかどうかの議論が避けて通れない。だが、政府が1月に国会へ提出した有識者会議の報告書には盛り込まれなかった。 報告書が示したのは、皇族数の維持策にとどまる。女性皇族が結婚後も皇室に残る案と、旧宮家出身の男系男子が養子として皇室に入る案だ。皇室典範が、皇族女子は結婚すると皇籍を離れると定めているためだ。 皇族数の確保は喫緊の課題だ。本題である皇位継承の議論に進むためにも、早急に取り組まなければならない。 報告書をまとめるよう要請したのは国会である。5年前に天皇退位を認めた特例法の付帯決議は、皇位継承の課題などを速やかに検討するよう政府に求めた。 にもかかわらず、受け取った国会が動こうとしない。先の通常国会で議論が進まず、夏の参院選でも論
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