子育て支援として、現金給付案を決める自治体が全国で相次いでいます。東京都は新年度から、出生率の向上を目的に、全ての18歳以下の子どもに月5千円を給付する方針です。 お金をもらえれば、人は「子どもを持とう」と思うのでしょうか。「子育て支援の経済学」(日本評論社)などの著書がある東京大の山口慎太郎教授(家族経済学)によると、「現金給付より5倍有効」な策があるそうです。話を聞きました。 ――兵庫県明石市も新年度から国の児童手当を独自に拡充し、16~18歳への給付を始めます。自治体が現金を給付する現状をどうみますか。 国の児童手当は中学生までという制限があり、足りているとは言えない状況です。明石市も東京都も月5千円と金額は大きくないかもしれませんが、自治体が国を補う形で支援する動きは、子育て世帯からすればありがたいし、評価すべきだと思います。 ――しかし、現金給付は出生率の向上に効果はあるのでしょ