マイナンバーカードの誤登録問題への批判は根強い。政府はヒューマンエラーを強調するが、経済学者の金子勝さん(71)は問題の本質に異を唱える。新型コロナウイルスで国産のワクチンや治療薬開発が海外メーカーに後れを取ったように、日本企業の技術力の問題だと喝破する。これぞ「マイナ敗戦」。国内産業が衰退した背景は何か。
患者の予約状況を確認する男性歯科医=千葉市で2023年8月8日午後5時3分、阿部絢美撮影(画像の一部を加工しています) 政府のマイナ保険証導入方針により、閉院の時期を早めた歯科医がいる。読み取り機器の購入やインターネット環境の整備などで費用がかかり、個人情報のひも付けミスなど相次ぐトラブルで業務の負担が増える懸念があるためだ。25年にわたって地域医療を支えた歯科医院を来夏にたたむ決意をした男性歯科医(65)に去来する思いとは。 千葉市の中心街から車で20分ほど離れた閑静な住宅街に歯科医院は立地していた。クリーム色をした外装の2階建て。「私の家はここから50メートル先にあるんですよ。ご近所さんが患者さんなんだよね」。男性はこう教えてくれた。 千葉市出身の男性は国立大歯学部を卒業し、駆け出しの歯科医として10年近く別の歯科医院に勤務した。そこで「一人前」となり、生まれ故郷に近いこの地で開業。「
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