米軍キャンプ・シュワブ東側の大浦湾で工事に着手し、作業船から石材を海に投入する重機=沖縄県名護市で2024年1月10日午後0時15分、喜屋武真之介撮影 重い基地負担を背負ってきた沖縄への配慮を欠いている。地元との亀裂がさらに広がることを強く危惧する。 政府が沖縄県宜野湾市にある米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設に向け、大浦湾側でこれまで実施していなかった工事に着手した。県が地盤改良工事に必要な設計変更の承認を拒んだため、政府は昨年末、自治体の職務を代行する「代執行」に踏み切り、準備を進めていた。 9年3カ月に及ぶ工期の「起点」となる。林芳正官房長官は記者会見で、着実に工事を進めることが市街地にある普天間飛行場の危険性除去につながると説明した。 代執行は法律の規定にのっとった措置だ。福岡高裁那覇支部は昨年12月、県による承認拒否は危険性の除去を妨げ「社会公共の利益」を害すると指摘していた