11月の米大統領選に向けて共和党の候補指名争いが始まった。6月まで各州や自治領などで順次予備選や党員集会が実施される。 初戦の中西部アイオワ州党員集会では、返り咲きを目指すトランプ前大統領が圧勝した。「復権」への機運は高まるだろう。 大統領在任中に2度の弾劾訴追を受け、退任後には敗北した前回大統領選の結果を覆そうとしたなどとして刑事訴追されている。 「不正選挙」だったという根拠を欠く主張を繰り返し、退任直前に起きた連邦議会議事堂襲撃事件の責任も問われた。 にもかかわらず、党内で絶大な支持を誇るのはなぜか。 トランプ氏が唱えるのは、反グローバル主義と「米国第一」主義だ。グローバル化によって衰退した製造業を復活させるという主張に多くの党員が賛同している。 輸入品に高関税を課し、減税を進め、移民を厳しく規制するという公約は、製造業を支えてきた労働者の不満を吸い上げている。 とはいえ、減税や移民規