家庭用ゲーム業界の雄、任天堂の業績が不調だ。2011年通期の決算予想は売上・利益ともに大幅な下方修正となり、株価は今年の高値から一時6割近くも下落した。昨年度の主力製品の国内販売数は、「Wii」がピーク時の3分の1、「DS」は4分の1程度まで縮小。ソフトの販売数も減少傾向にある。 このような現状に対し、急成長するソーシャルゲームが任天堂のパイを奪っているのではないかという指摘を耳にする。確かにモバゲーを運営するDeNAやグリーの業績は絶好調であるし、コナミのようなファミコン時代からのソフトメーカーも、今やソーシャルゲームで大きな利益を上げるようになった。ソーシャルゲームはPCや携帯電話のSNSから気軽に利用できる上、基本利用が無料のゲームが多い(アイテム購入などにより追加的に課金)。Wiiのようなゲーム機を購入せずとも遊べることから、魅力を感じる消費者も少なくないだろう。そしてソーシャル