ゲーム業界の“雄”任天堂が苦境にあえいでいる。屋台骨となる携帯型や据え置き型ゲーム機の販売不振のため、2012年3月期の連結営業損益が1981年に連結業績を発表してから初めて赤字となる見通し。巻き返し策としてゲームソフトなどのネット配信も検討しているが、その方向性は不透明だ。任天堂復活への道はあるのか。(フジサンケイビジネスアイ)「売っても赤字」 「将来的には、ネット配信を大きな柱にしたい」。12年3月期に巨額の赤字を計上する見通しを発表した翌日の1月27日、任天堂の岩田聡社長は東京で開いたアナリスト向け説明会で、配信事業に意欲を示した。 同社は昨年12月までに自社の通信基盤「ニンテンドーネットワーク」を整備、一部のソフトのダウンロード販売を始めたが、この基盤を使い新たな収益源としたい考え。 任天堂の今期業績は、営業損益が450億円の赤字、最終損益も650億円の赤字の見通し。売上高も790