鳩山由紀夫元首相が香港のフェニックステレビの取材に対し、沖縄県・尖閣諸島の領有権を主張する中国政府に理解を示す発言をしていたことが25日、分かった。尖閣をめぐる歴史的経緯に言及し「中国側から『日本が盗んだ』と思われても仕方がない」と述べた。発言の様子は同日午前、中国内外に向けて報道された。 鳩山氏は既に政界を離れているが、首相経験者だけに、尖閣諸島に領有権問題はないとする日本政府の立場と相いれない発言内容が、日中両国の世論や尖閣情勢の今後の推移に影響を与える可能性もある。 中国は日本の尖閣領有について、第2次大戦中のカイロ宣言にある「日本が盗み取った中国東北地方や台湾などの島しょを中国に返還する」との規定に違反すると主張している。これに関して鳩山氏は「カイロ宣言の中に尖閣が入るという解釈は、中国から見れば十分に成り立つ話だ」と明言した。 取材は24日に東京都内で行われた。 ■関連記事