<商店街整備> 「被災事業者の経営再建と、新しい中心市街地のにぎわい創出をどう両立させるか。一番の課題だ」 宮城県女川町のまちづくり会社「女川みらい創造」の幹部は、大きく息をついた。東日本大震災からの復興に向け、市街地の再生を託された。 市街地は来年3月に営業を再開するJR女川駅を皮切りに、商業エリアの形成が計画される。町は集客性が高い公共施設も配置し、活性化を図る。 駅から女川港にかけての目抜き通り沿いには、テナント型商店街が誕生する。自力での店舗再建が難しい事業者や、新規出店者の受け皿になる。 みらい創造は施設の建設と管理運営、エリアの活性化を担う。町や商工会などの出資で6月に設立。役員は全て地元の経済人が務め、収入の柱はテナントの賃料だ。 <条件に困惑> 商店街は来年秋に開業予定。建設費の大半は国の補助金を当て込む。整備方針や店舗数、収支見込みなど詳細な計画を国に提出し、
<体育施設も> 東日本大震災で津波被害は受けなかった岩手県内陸部の駅前開発事業が、市街地再生を目指す被災地の注目を集める。 盛岡市の南に位置する人口3万4000の紫波町。JR紫波中央駅前で「オガールエリア」の整備が進む。 メーンは官民複合施設。図書館、子育て支援施設などの公共施設と、飲食店や地場産品直売所といった商業施設が入る。農業が盛んな町の特色を生かしつつ、都市機能を集積する「農村と都市の共生」がコンセプトだ。 敷地内に県フットボールセンターがあり、7月末には国内初のバレーボール専用体育館とホテルが開業。将来は町役場庁舎も移転新築される。 <融資で賄う> エリアを整備する「オガールプロジェクト」は、町とまちづくり会社「オガール紫波」、特別目的会社「オガールプラザ」の公民連携事業。長年塩漬け状態だった町有地11ヘクタールの開発を目指し、2009年に始まった。 「地域の商店は、
まちおこしプロジェクトの関連グッズを店頭に並べる伊東さん。商店街の魅力アップに知恵を絞る=神戸市長田区 <復興失敗例> 阪神大震災で被災した商店街の再生にずっと懸けてきた。その経験が、東日本大震災の被災地で役立てられると信じる。 神戸市新長田駅南地区の大正筋商店街で、日本茶販売店を経営する伊東正和さん(65)。火災で焼失した商店街は、市の大規模再開発計画で生まれ変わった。 「自分たちの復興は失敗例。同じことを繰り返してほしくない」。宮城県南三陸町などを何度も訪れ、自戒を込めて商店街関係者に助言する。 大正筋商店街の商店主たちは、再開発の高層ビルで低層階に設けられた商業フロアで営業を再開した。木造の商店や住宅、工場が混在していた街並みは美しくなった。 <乏しい魅力> 経営的には苦しくなった。震災前はなかったビル管理費などが発生。常連客が地元を離れるなど客足は落ち、にぎわいを取り戻せ
◎かさむ経費商店主圧迫/復興「身の丈に合わず」 東日本大震災から3年5カ月が過ぎ、被災地では中心市街地の復興も動きだした。多額の予算が投じられるが、過疎化や高齢化といった震災前からの課題は深刻さを増す。阪神大震災後の再開発などを通して、市街地再生の教訓を探る。(石巻総局・丹野綾子)=4回続き <少ない客足> 高層ビルの下に広がるしゃれた商店街は、あちこちでシャッターが下りていた。買い物客はまばら。閑散としている。 神戸市のJR新長田駅南地区の大正筋商店街。一帯はかつて、商店や住宅、ケミカルシューズ工場がひしめく下町だった。1995年の阪神大震災で大規模火災に見舞われ、焼け野原と化した。 市は「西の副都心」と位置付け、国内最大規模の再開発を計画した。総事業費は2710億円。立ち並ぶビルの地下1階から地上2階まで、商業フロアを整備した。 街は生まれ変わった。震災前からの商店主たちが市
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