気仙沼向洋高旧校舎の被災状況を確かめる気仙沼市震災遺構検討会議のメンバー。維持、管理費が課題となる=11月19日、気仙沼市波路上 2日に公示される衆院選(14日投開票)には、全体で約630億円の国費が投じられる。解散の目的に疑問符も付く中、東日本大震災被災地からは「復興費に回してほしかった」とのぼやきも漏れる。民主主義のためのコストとはいえ、この選挙費があれば何ができたのか。被災地で聞いた。 津波被害を受けた沿岸部を中心に、住宅の再建は遅れ気味だ。このまま消費税率が10%になれば、被災者の再建費負担はその分だけ重くなる。 宮城県南三陸町で仮設の理容店を営む菅野孝江さん(57)は、集団移転する土地が未完成。再増税前に再建できるかは見通せない。「政権の保身ではなく、負担増分を支援してほしかった」と話す。 仮に再建費用を2500万円とすれば、税率8%時と10%時の差額は50万円。選挙費を全