行き交う人々に向かい、演説する候補者。戦後2番目に長い「いざなぎ景気」を超えたとされる好況の実感は地域に届いていない=仙台市青葉区 空虚な経済指標が踊り、社会保障の礎となる財源は揺らぎ続ける。 ◎税制・景気 争点を歩く <対立軸描けず> 「国民に好景気の実感はない。消費税を上げれば、個人消費はまた冷え込む」。希望の党代表小池百合子は11日、宮城1区の新人候補応援のため、JR仙台駅西口に立った。真っ先に口にしたのが、消費税の増税凍結だった。 憲法改正などで与党と明確な対立軸を描けない希望にとって、増税凍結は原発ゼロと並ぶ目玉政策だ。小池は熱っぽく訴えたが急ごしらえの印象は拭えず、聴衆の反応は鈍かった。 首相安倍晋三は少子高齢化を国難と位置付け、消費税増税に伴う増収分を幼児教育などの無償化に振り向けると表明した。「税こそ民主主義」と言いながら、国会審議を経ず、選挙戦に打って出た。 公示日の10