国会前で安保法案反対を訴える人たち=東京都千代田区で2015年9月14日午後7時31分、喜屋武真之介撮影 参院は何のためにあるのか。衆院だけの1院制で十分ではないか。衆院を通過した法律をそのまま通す「カーボンコピー」と皮肉られ、不要論すら取り沙汰される参院だが、改革に踏み出そうと自ら動いたこともあった。それはポーズだったのか。それとも、若い世代からの期待に今度こそ応えるのか。 22年前の有識者懇は「アリバイ作り」 「他にももっと、参院はできたことがあったんじゃないか」。6月上旬、評論家の大宅映子さん(81)は、有識者懇談会のメンバーの一人として自身も提出者となった22年前の意見書に目を通しながら、ため息をついた。 タイトルは「参議院の将来像に関する意見書」。1999年、参院議長から「改革の方向性を検討してほしい」と諮問を受け、学者やジャーナリストらとともに1年かけて議論した。