将棋の8冠を独占していた藤井聡太名人(21)にタイトル戦で三たび挑み、その一角を崩した伊藤匠叡王(21)。同世代に圧倒的な存在がいると諦めにも似た心境に陥りそうだが、伊藤叡王にその気配は一切ない。なぜなら、天才の後を追う彼もまた天才だからだ。初のタイトルを獲得した若き棋士の野望に迫った。 関連記事はこちらです “藤井聡太を泣かせた男” 伊藤匠叡王が追い続けた同い年の背中 研究の日々 息抜きは…… 5歳の頃から毎日のように将棋と向き合ってきた伊藤叡王。対局のない日はどのように過ごしているのだろう。「一人で研究を深めていくのは難しいので、(棋士仲間との)研究会で指した将棋をAIで振り返って深めています」 将棋漬けの日々が垣間見えるが、体を動かすことも心がけている。「ジョギングが息抜きですね。運動不足に陥りがちなので、1回30分、6・5キロくらいは走るようにしています」と明かす。 名古屋出身の両