藤井のパンチをすべて受け止める覚悟を持って臨む 振り駒で藤井が先手になり、いつも通り角換わりに進むかと思いきや、後手の豊島が変化した。角道を開けず、飛車先交換を甘受し、雁木に組んだのだ。豊島は7手目の局面を過去50局以上経験しているが、角道を開けなかったのは初めてだ。 豊島はお~いお茶杯第63期王位戦七番勝負で藤井に敗れてから変わった。ずっと断っていたと言われる菅井竜也八段とのVSなど、対人の研究会を復活させた。先手では2年ぶりに矢倉を採用し、12年ぶりに三間飛車に振った。後手でも2年ぶりに横歩取りに誘導した。藤井に勝つためには、これまでとは違う方法を試みる必要があると考えたのだろう。 とはいえ後手の5三銀4三銀の旧式雁木は、先手の6七銀4七銀の新型雁木との相性が悪く、守勢になりやすい。豊島は藤井のパンチをすべて受け止める覚悟を持って臨んだのだった。 自陣の銀は見捨て、飛車を成って王手 こ
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