リビアでのカダフィ大佐率いる政府軍とデモ隊の衝突はますます激しくなっているようだ。政府軍やリビア政府に雇われた傭兵は、非武装の市民に容赦なく銃口を向け次々と虐殺している。ネット上では無残に殺されたリビア市民の死体の画像が多数アップロードされている。その中には年端の行かない子供の殺害まで含まれている。これはただ単に独裁者であるカダフィ大佐やその一味の残虐な行為として片付けることができるのだろうか? 筆者はそうは思わない。なぜなら同じような状況になれば、やはり多くの人間がカダフィ大佐のように振舞うと思うからだ。 独裁者の多くがその権力を握る過程で、多くの政敵を処刑する。裏切り者を残虐な方法で殺害して、自らの力を民衆に魅せつける。その一方で独裁者はカリスマ的で人間的にも非常に魅力的な人物であることが多い。その魅力と恐怖によって人の上に立つのである。血塗られた独裁者と英雄は紙一重だ。歴史上の英雄と