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ブックマーク / oizumi-m.hatenadiary.org (11)

  • 核という呪い ブログ版 焼身自殺死訴訟(2) - 核と萌えの日々〜ライター大泉実成のたわごと

    2 福島第一原発の事故以降、原子力事故の引き起こすこころの被害について取材している。原発事故の引き起こす恐怖や、避難のストレスで苦しむ人、命を落とす人が後を絶たない。 東京新聞は原発事故の避難やストレスによる体調悪化で死亡したケースを「原発関連死」と定義し、福島県内を取材、集計したところ789人に上った。しかし南相馬市といわき市は把握していないという。南相馬市の担当者の話から推定してそれを合わせると、福島県内の原発関連の死者は1000人を超えると見られる(2013年3月13日付)。 先行きの見えない長期の避難生活。それまでの生活の核を失った日々の中で、積するストレス。その中で発生するウツや自殺。これこそ原子力事故のこころの被害と呼ぶべきものであるが、事故以前に誰がこのような事態を予想しえたであろうか。 かつて、名古屋で開かれた「エネルギー・環境の選択肢に関する意見聴取会」で岡道明氏(中

    核という呪い ブログ版 焼身自殺死訴訟(2) - 核と萌えの日々〜ライター大泉実成のたわごと
    a-mutter
    a-mutter 2014/09/04
    「これまで取材してきて強く思うのは、原子力事故は人のこころを壊し、人と人の間を引き裂く、ということであった。僕はそれを「核という呪い」と名づけた。」
  • 核という呪い ブログ版 焼身自殺死訴訟 - 核と萌えの日々〜ライター大泉実成のたわごと

    先日、福島の原発事故後に焼身自殺をした渡辺はま子さんの地裁判決が下り、裁判所は自殺と原発事故の因果関係を認め、原告側が勝訴した。画期的な判決であった。 昨年原告の渡辺さんのインタビューを行ったのだがボツになってパソコンの肥やしになっていたので、よい機会と思いこちらに載せることにした。 東京電力は事故被害者の負担を配慮し、控訴をするなどしてこれ以上の負担をご家族など関係者にかけないよう希望する。 1 「おたくらはね、いつもそうやって被害者の家族のプライバシーを暴きたてるんだよ」 電話の声はいきなり怒っていた。 この仕事をしていると時々こういうことがある。単に取材依頼の電話をしているだけなのだが、それがいとも簡単に相手の怒りの導火線に火をつけてしまうのだ。何が困るといって、怒っている人間からインタビューを取ることほど難しいことはない。 2011年7月1日未明、避難先から計画的避難区域にある福島

    核という呪い ブログ版 焼身自殺死訴訟 - 核と萌えの日々〜ライター大泉実成のたわごと
  • 核という呪い ブログ版(7)(8) - 核と萌えの日々〜ライター大泉実成のたわごと

    (7) 不思議なことはほかにもたくさんあった。たとえば、一番大きな症状が出ているのは臨界を終息させるために現場で作業したJCO社員のはずであった。しかし彼らは会社によって囲い込まれ、情報がまったく出てこない。 ある時、被害者の会にやってきた女性が、村で出回っているという次のような噂を話してくれた。 東海村から出る特急ひたちに、JCOの幹部社員たちが乗り合わせていた。これはそこに同乗していた人の話で、東海駅を離れると、たぶん夕時だったのだろう、彼らは弁当をべながら軽く酒を飲んで同僚の噂話を始めた。それは事故の処理に当たった社員の一人だったが、会社の強い慰留にもかかわらず退職し、かねてから念願だったそば屋を開店した。開店して数ヶ月してから店を訪れると、珍しく頭にバンダナを巻いている。不審に思ってたずねると、「どういうわけか髪の毛が抜けちゃって」と言ったという。また数ヶ月して店を訪れたとき、

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  • 核という呪い ブログ版(4)(5)(6) - 核と萌えの日々〜ライター大泉実成のたわごと

    (4) 僕の家では、まず母が倒れた。 九月三十日、事故当日の深夜三時頃から(正確には十月一日午前三時)、母は激しい下痢に襲われた。どういう感じだったかを後で聞いたら「お腹の中のものがすべて出ていってしまう感じ」と言った。この激しい下痢は五日間続いた。同時に、口内炎も現れた。周辺住民の何人もが、事故後口内炎やのどの痛みを訴えている。 一人息子であるので、僕はこの人のことを子供の頃からよく知っている。女性にありがちな便秘体質の人で、僕が大学生の頃、冷蔵庫に放置してあった牛乳を見て、「腐った牛乳でも飲んだら出るかしら」などと言った人である。従ってこの時、身近な人間ならばどんな異常なことが起こっているかをきちんと気づくべきだったのだ。 この後大泉工業は再開されたが、あれほど働き者で仕事好きだった母が仕事に行こうとしなくなった。父は、工場の主戦力である母が動かないので少しボヤいたようだ。体調が悪いの

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  • 核という呪い ブログ版(2)(3) - 核と萌えの日々〜ライター大泉実成のたわごと

    (2) 運が悪いことに、と言うべきだろうか、僕(筆者・大泉)の父と母が経営する小さな町工場が、JCOから約80メートルのところに建っていた。 事故がおきた1999年9月30日、僕は東京・墨田区の事務所にいた。この月はマンガ家の水木しげると3週間ほどオーストラリアの先住民・アボリジニを訪ね、彼らの精霊(水木しげるに言わせれば妖怪)について取材する旅をしていた。因縁めくが、アボリジニたちと付き合ううちに、彼らの聖地であるカカドゥ国立公園のジャビルカが、関西電力に売るウラン採掘のために汚染されている、ということがわかった。彼らの必死の訴えを聞いて、これは日の原子力産業にきちんと問題を突きつけんといかんな、などとえらそうなことを思いながら帰国したのである(詳細は『水木しげるの大冒険 精霊の楽園・オーストラリア』祥伝社)。 日に帰ると、井上陽水のライブレポートの仕事が待っていた。9月29日が全国

    核という呪い ブログ版(2)(3) - 核と萌えの日々〜ライター大泉実成のたわごと
  • 核という呪い ブログ版 - 核と萌えの日々〜ライター大泉実成のたわごと

    4月20日に、友人のノンフィクションライター・木村元彦とドキュメンタリーのVTRをつくり、BS11の「ONZE」という番組で放映してもらって、スタジオで元村有希子キャスターや二木啓孝さんと話しをした。「サリン事件から19年 元オウム信者たちは今」みたいなタイトルだったと思う。 これからアップするのは、その取材で知り合った林久義さんというチベット仏教徒で、オウム信者の脱会カウンセリングをやっている人から依頼された文章である。オウム信者の疑問にはきちんと仏典に当たって答えることのできるすごいひとで、脱会させた信者も多く、カウンセリング成功率も高い。 また福島の支援も行い、原発問題全般にも目の行き届いている人だった。 この原稿は2010年の福島原発事故前から書かれていたのだが、書いている途中で原発事故が起こってしまい、2011年の5月に「怖い噂」誌上で発表したもので、さまざまな原子力問題に触れて

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  • みなと店モンハン部の壊滅(5)―オタクとは何か・特別編 - 核と萌えの日々〜ライター大泉実成のたわごと

    5 「彼女を説得してきました」 ととびしんは言った。 瞬間、この男がなにを言っているのか、ビールでぽおっとしていたおれにはにわかに理解できなかった。 とびしんは、おれたちとモンハンをやるために、泣いてしまうぐらいとびしんと話をしていたい彼女を説得してきた、と言っているのであった。とびしんが闇に消えてから1時間以上たっていたが、その間とびしんは店の駐車場の車の中から電話をかけて、彼女を説得していたらしい。 「エライ」 とおれは言った。深夜のすき家で、おれたちは口を極めてとびしんを褒めたたえた。とびしんはちょっと得意そうな顔で3DSを取り出し、 「さて、どこに行きますか」 と言った。 部長が戻ってきた。 リベンジの時が来たのだ。 おれたちはまず、直前にやられたブラキディオスのところに行くことにした。どうせなら2匹クエに行くか、ということになった。「爆砕の連鎖」である。おれととびしんが何度となく

    みなと店モンハン部の壊滅(5)―オタクとは何か・特別編 - 核と萌えの日々〜ライター大泉実成のたわごと
    a-mutter
    a-mutter 2012/05/03
    感動した。
  • みなと店モンハン部の壊滅(3)(4)―オタクとは何か・特別編 - 核と萌えの日々〜ライター大泉実成のたわごと

    3 その日曜の夜、というのもおれがとびしんに冒頭のセリフを申し渡した日曜の夜であるが、すき家にはおれ、もふらせろ君、コウキ、新人のS君の4人が集まった。といってもモンハンをやるのはおれともふらせろ君の二人だけで、後はめしをったり情報交換をしたり他人の悪口を言ったりするために集まっていたのである。まさにみなと店モンハン部は壊滅寸前であった。 批判は当然のようにこの日もそこにいない部長のとびしんに集まり「ふざけんな」「最低最悪」「なめとんのか」「無責任」「人間のクズ、いや、ゴミ、ゴミそのもの」「いいかげんなやつ」「わがままで人のことを全く考えてない」「テッキットー」「リア充爆発しろ」などのセリフが気持ちよさそうに各人の口から発射されていた。こういうことをみんなに気持ちよく言わせている、というのが、現在とびしんの唯一の存在価値であろう。 やがてモンハンになり、おれたちはまずグラン・ミラオスに行

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  • みなと店モンハン部の壊滅(2)―オタクとは何か・特別編 - 核と萌えの日々〜ライター大泉実成のたわごと

    2 そのころおれたちの狩りの現場は、コンビニの駐車場の時期を脱し、近所のファミレス期を経由して、牛丼の「すき屋」になっていた。ファミレスは場所は悪くないのだが、田舎のファミレスなので午前2時で閉まってしまい、朝の4時5時ときには7時8時まで狩り狂うおれたちの需要には合わないことが分かったのである。つまり24時間営業の店がいいのであり、24時間営業の居酒屋なんかがあればおれとしては理想的なのであるが、田舎の港町にあるこのショップの近辺で24時間やっている店といったら「すき家」しかなかったのである。 深夜零時半ごろ、あるものは徒歩で、またあるものはチャリで、またあるものは車で、といった具合にすき家に集まってくる。なんといっても午後6時から6時間以上接客やDVD、CDの返却などを行ってきた後であるから、おれたちの体は極度の空腹と疲労の状態になっており、のどはからからである。 そして、このような状

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  • みなと店モンハン部の壊滅(1)―オタクとは何か・特別編 - 核と萌えの日々〜ライター大泉実成のたわごと

    1 「おまえなあ、いったいこの事態をどうするつもりなんだよ」 温厚な性格で知られる僕、いやおれではあったが、この時は思わず語気鋭くつっこまざるを得なかった。というのも、あまりの理不尽さに、深く静かに怒っていたからなのである。そんなわけで今回は「僕」なんて言ってられないので「おれ」で行くのである。 といっても、この時は原発問題とか東京電力とか政府の責任などについて激しく怒っていたのでは別になく、話はモンハンについてのことなのであった。 このブログを読まれている方なら、おれがオタク修行のためそれ系のショップで潜入取材を行っていることや、その過程で激しくモンハンにはまってしまったことなどをご存知であろう。ドスから始まり、2nd−2ndGにいたってはプレー時間が1700時間を越え、「それだけの時間があったら何冊を書けると思ってるんですか」と周囲をあきれさせた。PSPを3台つぶし、英語版までやった

    みなと店モンハン部の壊滅(1)―オタクとは何か・特別編 - 核と萌えの日々〜ライター大泉実成のたわごと
    a-mutter
    a-mutter 2012/04/20
    続きがすげぇ気になる。
  • エヴァ(ヱヴァ)破見ました - 核と萌えの日々〜ライター大泉実成のたわごと

    みなさん、お元気でしょうか。僕はこのところとても元気にしております(なんか手紙みたいだけど)。というのも、なんというか今年は当たり年で、けいおんは面白かったし、春樹さんの新作1Q84もすげえ面白かったし(こういうベストセラーは普通一年ぐらいしてから買うんだけど、今回週刊現代さんに書評を書くということで送ってもらった。原稿は先先週ぐらいに載ったと思う)、さらに最近中国留学生腐女子に薦められて買った『鬼畜眼鏡』がなかなかのできばえで楽しませてもらっているし、そして、ああ、エヴァですよ。(ネタバレあるんで、困る人は読まないように) 店の同志が予約を取ってくれて、総員6名、行ってきましたエヴァ(ヱヴァ)破初日初回、あんまり楽しみで前日は夜中に何度も目が覚めたよ。で、朝7時に起きて、眠い目をこすりながら車で近くのシネコンヘ。待ち合わせ時間の20分前についてしまって、車の中で、フランスパンを包丁で切っ

    エヴァ(ヱヴァ)破見ました - 核と萌えの日々〜ライター大泉実成のたわごと
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