昔から無駄な時間というものが好きではなかった。 例えば何かの要件でもって呼ばれた際、本筋に入る前に身の回りの話をされる事がある。 内容は他人の批評だったり、その日の天気だったりと色々だ。 僕はこれが本当に苦痛だった。 「さっさと要件言ってください。時間の無駄なので」 そう心のなかで何度もつぶやいたものだった。 「なんでみんな生産性をキリキリあげていかないのだろう?」 「就業時間中は仕事にだけ一点集中。それで定時になったらピタッと仕事を止める」 「そういう密度の高い生活を心がけていき、オン・オフがしっかりした生活をすればいいのに」 少し前までの僕はこの生活こそが美だと思っていた。 だが、実際にそういう生活をやった結果、僕はこれがとんでもなく誤りだという事を痛感した。 この生活は想像を絶するほどに辛い。とてもじゃないが人間に耐えられるようなものではない。 極限まで切り詰めた9時5時はマジでココ
