システム開発の現場で取り扱う問題は、「多知識型(領域特有)」で、かつ「定義の悪い」ものであることが多い。今回紹介する発想技法は、このような問題の原因を追究したり、解決策を考えたりする際に有効である。解決策のみならず、問題の感知力も高めることができる。問題を構成するざまざまな要素や原因、現象などと、それらの因果関係を可視化し、整理していく手段を提供しているからだ。 ただし単に発想技法を使えばオートマチックに、問題の構造や解決策を見いだせるわけではない。どんなツールでも同じだが、特に発想技法を使う際には、それを使うに相応しい能力と姿勢が求められる。 発想技法は世の中に数多く存在する─人間の数だけ存在すると言えるかも知れない─が、本章ではブレーンストーミング法など、比較的よく知られているものを紹介する(図1)。それだけ練り込まれているし、関連書籍や関連ツールも存在するからだ。 図1 主要な問題解