オンライン対談するソフトバンクグループの孫正義会長兼社長(左)とアームCEOのレネ・ハース氏=東京都港区で2023年10月4日、幾島健太郎撮影 ソフトバンクグループ経営の実態(66) ソフトバンクグループ傘下の英半導体設計大手アームが昨年9月、米ナスダック市場に上場した。上場の1週間後、ソフトバンクグループは金融機関から2022年に受けた融資85億ドル(約1兆2000億円)について、金額を変えずに借り換えた。保有するアーム株式を担保にした融資で、担保株式数は上場前後で変わらなかった。借り換えの背景を探ると、アーム上場までのソフトバンクグループの綱渡りの資金繰りが浮き彫りになった。 非上場株「担保」異例の融資 借り換えの背景を知るには、1年半前に行われた最初の融資が極めて異例だったことからたどる必要がある。 「そんな借り方ができるのか」――。ある金融関係者は、ソフトバンクグループが22年3月