英国の女性絵本作家で、人気絵本「ピーターラビット」シリーズの作者、ビアトリクス・ポター(1866~1943年)の少女時代の水彩画に、幕末の浮世絵師が手がけた絵手本(えでほん)が描かれていることが分かった。 ポターを研究する河野芳英・大東文化大教授が特定した。 水彩画は1880年頃のものとされる。A4判サイズの画用紙に、貝殻などとともに、「東海道五拾三次(ごじゅうさんつぎ)」で知られる歌川広重の弟子で娘婿だった二代歌川広重(1826~69年)の絵手本「諸職画通 三編」の表紙が描かれていた。 河野教授は1999年に英ビクトリア・アンド・アルバート美術館で水彩画を見つけ、表紙に漢字が書かれていることから、どの本なのかを調査。今年になって、日本の古書店で「諸職画通 三編」を入手し、字体などの特徴が一致することから特定した。 絵手本は様々な画題を描いた絵の教科書で、江戸時代から明治時代には多くの浮世