第3回お笑い大江戸版阿部貞事件 江戸時代には庶民の家庭だけでなく、武士や学者の家でも、実は日常的に猥談卑語が飛び交っていた。 突然だが、「男根切り」の話題から始めなければならない。というとまず阿部定事件が思い浮かぶが、似たような話は江戸の昔にもあった。江戸小咄集(小島貞二編『定本・艶笑落語』二)に、「二本指」と題してこんな咄が載っている。 「惚れて惚れて、惚れぬいた」亭主を後に残し て先立ったおかみさん、自分が死んだのをいいことに新しい女と出来ているんじゃないかと心配で、夜な夜な亡霊となって出現した。 亭主はほとほと困って、「おまえが死んだあとは、どうせ不用もんだ。ホラよ、こいつを渡してやらア」と「男の一物」をスッパリ切って渡したところ、おかみさんの亡霊は喜んで姿を消した。これでもう亡霊に悩まされることもない。ほっとした亭主だったが……。 あくる朝になって、またしても「うらめしやア……」。
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