トリクルダウンという言葉がある。豊かな人々がもっと豊かになれば、やがてその豊かさが下にも落ちてきて貧しい人も豊かになれるという議論である。アベノミクスで株が上がれば、そのおこぼれは皆に回ってくる。円安で輸出大企業が利益を上げれば、それは労働者や下請けにも回ってくるという議論である。 だが、そんなものは自分のところに落ちてこないと、多くの人はトリクルダウンに懐疑的である。しかし、私は、トリクルダウンがないはずはないと思う。豊かな人がまず豊かになるのだから、それが所得分配を平等にすることはないが、理屈から言って、おこぼれがないはずはない。 トリクルダウンはある 豊かになった人は、そのより豊かになった部分を、貯蓄をするか消費をするかしかない。貯蓄は必ず投資されるはずだから、投資が増える。国内で投資が増えれば、必ず誰かを雇うはずである。雇用が増えれば、トリクルダウンがあったことになる。海外に投資し
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