ゴキブリの語源のうち、ゴキが御器であるというのは動かない。御器といえば漆塗りの御椀を思い出せばよい。辞書に書いてあるのは、あれをゴキブリが齧るからということである。御器にかぶりつくからゴキブリというのであるということだが、ゴキブリは本当に御器をかじるのであろうか。 私は、これは「ゴキブリ」=御器かぶりだと思う。御器のようなものを頭にかぶっているから「御器かぶり」=ゴキブリなのではないかと思う。 ゴキブリの姿を思い浮かべて欲しい。頭から胸の部分が黒く光っていて、これが御器の部分である。そして、そこから茶色い羽がでているが、これは和服の袖を思い浮かべる。 先日、鉢かづきについての授業だった。院生のレポートは刺激的で、帰宅途中に感想を書いたが、時間切れであった。 授業の題目は「鉢かづき」なので、家にあった『こどものとも』はちかづき姫をもってでた。長谷川摂子再話のものである。 そこにでてくる鉢かづ