第2次大戦後の極東国際軍事裁判(東京裁判)で起訴され、巣鴨プリズンに収容されていた東条英機元首相らA級戦犯二十数人が1946年秋、看守の日系人米兵に贈った寄せ書きが12日までに、米西部カリフォルニア州にある米兵の娘の自宅から見つかった。 戦犯の名前のほか、好きだったとみられる漢詩の一節などが記されている。A級戦犯の寄せ書きはこれまでにも確認されているが、昭和史に詳しい作家の半藤一利氏は「これだけの人数が書き込んだものは多くない」と話している。 東条元首相は名前に加え「古人今人若流水」と記入した。「昔の人も今を生きるわれわれも、流れる水のようなもの」という意味で、中国の詩人、李白の詩から取ったとみられる。 広田弘毅元首相は「万邦協和」。年号の「昭和」の由来で、中国の古典の歴史書にある言葉とみられる。(共同)【拡大写真】シェークスピアの作品の一節?A級戦犯二十数人の寄せ書き-産経フォト