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ブックマーク / www.tachibana-akira.com (17)

  • アベノミクスがコケても大丈夫! 臆病者のための「資産防衛術」2016〈週刊文春〉 – 橘玲 公式BLOG

    年初から急速に円高が進み、株価も急落しました。また安倍総理は、施政方針演説で「同一労働同一賃金」の法制化を目指すと宣言しています。こうした社会・経済の流れは、昨年末に『週刊文春』(2015年12月24日発売号)に寄稿した「アベノミクスがコケても大丈夫! 臆病者のための「資産防衛術」2016」に書いたので、『週刊文春』編集部の許可を得て全文を掲載します(見出しは適宜つけました。図表は入稿時に参考として添付したものです)。 *********************************************************************** 私の手元に「日の再生に向けた検討課題について」と題された資料がある。民主党時代の平成24(2012)年1月、経済産業省が省内の勉強会として日経済の将来を予測したものだ。 2008年からの3年間で名目GDPが40兆円強も減少し、日

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  • 労働組合は身分差別社会が大好き 週刊プレイボーイ連載(137) – 橘玲 公式BLOG

    安倍政権による労働者派遣法改正案が国会で議論されています。 これを改悪と主張するひとたちは、「正社員が派遣労働者に置き換えられて格差が拡大する」といいます。それに対して政府側は、これまで専門26業種だけに認められていた条件をすべての労働者に開放することで、労働者のニーズにあった多様な働き方が可能になると反論しています。 労働市場改革が揉めるのは、それが日社会の根幹である「会社=イエ制度」を揺るがすからです。 経済学的にいえば、働くというのは自らの人的資を労働市場に投資し、そこから報酬というリターンを得ることです。人的資学歴や資格、専門知識や経験を総合したもので、それを基準に昇進・昇給が決まります。キャリアアップとはたんなる出世ではなく、さまざまな手段で人的資を増やしていくことなのです。 しかし日では、こうした近代的な職業観はまったく受け入れられませんでした。いまでも学生たちは、

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  • 第37回 シンガポールの芝は青く見える(橘玲の世界は損得勘定) – 橘玲 公式BLOG

    シンガポールに注目が集まっている。日富裕層やベンチャー起業家たちが、続々とこの小さな国を目指しているのだという。一人あたりGDPが日を抜いてアジアでもっともゆたかになったことで、「シンガポールを見習うべきだ」という論調もしばしば目にする。 シンガポールの大胆な経済政策には参考になるものも多いが、どう頑張っても日はシンガポールにはなれない。国としての条件があまりにも違いすぎるからだ。 シンガポールは香港と並ぶアジアのタックスヘイヴンとして、グローバル金融機関の誘致に成功した。それを可能にしたのは、国内に主要産業がなく、税率の引き下げで失うものよりも、海外からの資移転で得るものの方が大きいからだ。欧米や日のような大規模で複雑な経済ではそうはいかない。 金融はITと並ぶ知識産業で、製造業やサービス業より賃金がずっと高い。金融が主要産業になれば高収入のひとが集まってくるから、一人あたり

  • 「高金利・円安・インフレ」のアナザーワールドにようこそ – 橘玲 公式BLOG

    日発売の『日の国家破産に備える資産防衛マニュアル』の「まえがき」をアップします。 ********************************************************************** 「強い日経済を再生する」と宣言した安倍自民党政権の誕生で、「株価や地価が上昇するのでは」という期待と、「なにかとてつもなくヒドいことが起きる」という不安が交錯しています。 安倍首相が信奉する経済政策、すなわちアベノミクスは、どんな手段をとってでも日銀に2%のインフレを実現させる、というものです。 これから実施されるであろう史上例を見ない大規模な金融緩和(リフレ政策)の効果については、経済学者のあいだでも10年以上にわたってはげしい論争(というか罵り合い)が続いています。ある高名な経済学者は、「日銀が市場に大量のマネーを供給しさえすれば日経済は復活し、経済成長によ

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  • “ネオリベ化する福祉国家”オランダから日本の未来が見えてくる – 橘玲 公式BLOG

    『マネーポスト』の2013年新春号に書いた記事を、編集部の許可を得て転載します。日ではあまり馴染みのないオランダの政界の話ですが、非常に示唆的です。 なお、文でも述べていますが、この記事の元ネタは水島治郎氏の『反転する福祉国家 オランダモデルの光と影』で、これはヨーロッパの政治状況を考えるうえでの必読書です。 ************************************************************************ 今回は、オランダの政治について書こうと思う。 おそらく、この一行だけで読む気をなくしたひともいるだろう。でもこれは日でいま起きていることを知るうえでたいへん興味深い話なので、しばしおつき合い願いたい。 オランダは、売春とマリファナを合法化した国として有名だ。アムステルダムのホテルに泊まると、各部屋に観光協会の小冊子が置いてあって、そこ

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  • 今年はどんな年になるのだろうか2013 – 橘玲 公式BLOG

    世界的な株高と円安で幕を開けた2013年は、ひさしぶりに明るい雰囲気に包まれている。このままの勢いで経済は上向き、日はゆたかさを取り戻すことができるだろうか? 「未来は誰も知ることができない」ということを前提に、今年がどんな年になるのか私見を述べてみたい。 去年は6月にイギリス、アイスランド、アイルランド、ポルトガル、ギリシア、イタリア、ドイツを回った。そこで感じたのは、日での報道と現地の雰囲気はかなり違う、ということだった。 “ヘッジファンド国家”と化したアイスランドは市場原理主義が大失敗した格好の例として取り上げられるが、バブル崩壊後の通貨安の恩恵を受け、夏の観光シーズンにはヨーロッパ中からアウトドア派が押し寄せて観光地はどこも活況を呈していた。北海道よりも広い島にわずか30万人しか住んでいないから、バブルが派手にはじけても、すこし追い風が吹けばたちまち景気は回復するのだ。 不動産

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  • 「素晴らしきベーカムの未来」追記 – 橘玲 公式BLOG

    「素晴らしきベーカムの未来」は、『生活保護の経済分析』(阿部彩・國枝繁樹・鈴木亘・林正義)のなかの、主に國枝繁樹氏の3の論考、「公的扶助の経済理論Ⅰ:公的扶助と労働供給」(第2章)、「公的扶助の経済理論Ⅱ:公的扶助と公的年金」(第3章)および阿部彩・鈴木亘・林正義氏との共同執筆「就労支援と生活保護」(第6章)を参考にしています。 共著者を代表して林正義氏が「はしがき」で書いているように、『生活保護の経済分析』は、「貧困問題に対処する公的扶助制度の設計は経済学における最も重要な課題の一つであり、特に欧米では、公共経済学や労働経済学と呼ばれる分野において、数多くの重要な研究が蓄積されてきている」にもかかわらず、「日の近代経済学では公的扶助(生活保護)研究が正面から取り組まれてきたとは言い難く、むしろ、関心さえも十分に持たれることはなかった」との問題意識のもとに、研究者だけでなく一般の読者に

    「素晴らしきベーカムの未来」追記 – 橘玲 公式BLOG
    atm_09_td
    atm_09_td 2012/07/06
  • 素晴らしきベーカムの未来 – 橘玲 公式BLOG

    『週刊新潮』からの依頼で寄稿した「ベーシックインカムは『橋下市長』の亡国政策」を、編集部の許可を得てアップします。 雑誌タイトルは『週刊新潮』編集部がつけたものなので、エントリーのタイトルは別のものにしています。 週刊誌の記事なので、個々のソース(参考文献等)は記載してありません。後日、追記のかたちでアップしたいと思います。 ********************************************************************** 年齢や性別、出自や能力のちがいにかかわらず、日人というだけで誰もが最低限の生活を保障される。そんな世の中になったらどんなに素晴らしいだろう。 橋下徹大阪市長率いる大阪維新の会は“生活最低保障制度の創設で貧困を根絶する”という理想を高く掲げる。この政策は、一般にはベーシックインカム(ベーカム)と呼ばれている。 ベーカムでは、日

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  • 国民が国家を搾取している 週刊プレイボーイ連載(36) – 橘玲 公式BLOG

    欧州共通通貨ユーロが崩壊の危機にあります。EU(欧州連合)の混乱から、私たちはどのような教訓を学ぶべきなのでしょうか。 これまで多くの論者が、「“市場原理主義”が共同体を壊すのだから、国家は市場の暴走を止めるべきだ」と主張してきました。しかしユーロ危機では、明らかに「国家が市場を壊した」のであり、財政を統合しないまま通貨だけを共通にする制度設計の失敗をなんとかしなければ危機は解決しません。 問題は市場ではなく、国家にあるのです。 もうひとつは、国家と国民(市民)の関係です。 私たちは、国家権力が市民を抑圧し、自由や平等を求めてひとびとが立ち上がるという物語をずっと聞かされつづけてきました。「アラブの春」はこの典型で、独裁政権を終わらせるためにひとびとは投獄覚悟でデモを行ない、あるいは武器をとって政府軍とたたかいました。 ユーロ危機の渦中にあるギリシアでも、大規模なデモやストライキがつづいて

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  • 年金の支給開始が70歳になったら、「金融商品」としての損得はどうなるのだろうか? – 橘玲 公式BLOG

    公的年金の支給開始年齢を70歳に引き上げるという案が話題になった。あまりの反発に民主党は即座に撤回したが、年金財政の悪化を考えれば、早晩復活することは間違いないだろう。 ところで年金の支給が70歳開始になったら、積み立てた保険料と、生涯にわたって受け取ることになる保険金の関係はどうなるのだろうか? 厚生年金や共済年金は所得によって保険料や支給額が変わるので、仕組みの単純な国民年金で計算してみよう。 国民年金は20歳から40年間、保険料を積み立てて、65歳から毎月払い戻しを受ける積み立て型の終身年金だ。保険料は2017年に月額1万6900円まで引き上げられ、それ以後は変わらないことになっているので、毎年の支払額は20万2800円、40年間の総支払額は811万2000円になる。 それに対して受給額(保険金)は月額6万5741円(年78万8892円)で、これが生涯にわたって支払われる。 年金に加

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  • 第9回 “衝動クリック”への心理戦(橘玲の世界は損得勘定) – 橘玲 公式BLOG

    黒豆というのは正月のおせち料理に定番の煮豆のことだと思っていたら、じつは枝豆でもあった。と書いてもなにやら意味不明だが、煮豆にするのは完熟した黒豆で、その少し前のものは、ビールのつまみに出てくる枝豆のように茹でてべるのだという――。近頃はこんなトリビアまで、ネット通販のメールが教えてくれる。 “黒豆の枝豆”というのは初体験だったので、さっそく注文してみた。代金は800グラムで1980円だったのだが、そのメールに「ポイントが失効間近」と書いてあって、確認してみると口座に2000ポイント貯まっていた。1ポイント=1円なので、これを使ってタダで最高級の丹波の黒豆が手に入った。 こんな不思議なことが起きるのは、「ポイント10倍フェア」のときにたまたまこの通販サイトで買い物をしたからだ。通常は100円につき1ポイントもらえるが、この時期だけは100円で10ポイントになって、購入代金の10%が還元さ

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  • オリンパスの“飛ばし”はどういう仕掛けだったのか? – 橘玲 公式BLOG

    オリンパス損失隠し事件の報道によれば、オリンパスは90年代に財テクで失敗した1000億円規模の損失を隠蔽するために、2000年3月期に、ケイマン諸島籍のファンドなどを利用して、「含み損を抱えた金融商品と、ファンドが発行する債券を簿価で等価交換した」とされています。 この記述だけではわかりにくいと思いますが、これは90年代末のプリンストン債事件と同じ構図です。この事件についてはずいぶん前(2002年10月)に書いたことがあるので、ご参考までにそれを掲載します。 9年前の原稿で、いま読み返すとずいぶん肩にちからが入っているなあ、という感じですが、けっこう新鮮です(笑)。 *                   *                   *                   *                   *                   *            

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  • 円高に慌てるな 資産防衛3つの鉄則 (月刊『文藝春秋』10月号) – 橘玲 公式BLOG

    月刊『文藝春秋』10月号(9月10日発売)に掲載された「円高に慌てるな 資産防衛3つの鉄則」を編集部の許可を得てアップします *前半部分は、「円高と株安についての個人的感想」と同じです。既読の方は飛ばしてお読みください。 *                   *                   *                   *                   *                   *                   *                   * 財政赤字が膨張をつづけ、日国債が格下げされても、円は戦後最高値を更新している。なぜ財政が破綻しそうなのに円だけが高くなるのか? この疑問にこたえるには、そもそも今は円高ではない、ということから説明しなければならない。 円高なのに円高ではない? これはいったいどういうことだろう。 そこでまず、

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  • 「評判中毒」という病 – 橘玲 公式BLOG

    「マネーゲームと評判ゲーム」を書いたときに、僧侶・小池龍之介の「情報端末から距離を」というインタビュー記事を思い出した(日経新聞2010年12月20日)。 このインタビューで小池は、スマートフォン人気への異論として、デジタルツールを通じてひととひとがつながるのは錯覚だ、と述べている。私たちはつねに「自分が人からどう扱われているか」「大事にしたいと思われているか」を気にしていて、Twitterやメールですぐに返事がくると快感を得、返事を早くもらえないと不安になる。麻薬が快感をもたらすのは脳内物質のドーパミンを分泌させるからだが、ひとと「つながる」という錯覚はこれと同じ快感を生み出し、中毒症状に陥っていくのだという。 「情報端末から得られるのは、主に記号情報です。会話する相手の顔や声はなく、文字やアイコンだけです。人間の脳は、記号からイメージをバーチャルに再構成する性質を持っています。言語は抽

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  • 相続税は道徳的に正当化できるか? – 橘玲 公式BLOG

    武富士元会長の長男に対する巨額追徴訴訟は、2月18日の最高裁判決で、1330億円の追徴処分を適法とした2審判決が破棄され、長男側の逆転勝訴が確定した(裁判の経緯はこちら)。私はまだ判決を読んでいないが、納税者の権利を重視する近年の判断を踏襲し、税務当局の裁量(実質主義)を認めず、厳格な法解釈から納税義務の有無を判断する租税法律主義が採用されたということだろう。 この件は、長男側に租税回避の意図があったことは否定できず、還付加算金約400億円を加えた2000億円もの巨費を返還することは、裁判所にも躊躇いがあったようだ。 須藤裁判長は補足意見で「海外経由で両親が子に財産を無税で移転したもので、著しい不公平感を免れない。国内にも住居があったとも見え、一般の法感情からは違和感もある」と、俊樹氏側の行為が税回避目的だったと判断しながらも「厳格な法解釈が求められる以上、課税取り消しはやむを得ない」と述

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  • シミュレーション 20XX年ニッポン「財政破綻」 – 橘玲 公式BLOG

    『ZAITEN』2011年2月号の特集「20XX年ニッポンの国債暴落」に掲載された「シミュレーション20XX年ニッポン「財政破綻」」を、出版社の許可を得てアップします。これはもともと、編集部の要望で、同特集の巻頭のために匿名で執筆したものです。 *                   *                   *                   *                   *                   *                   *                   * 金利上昇、デフレ脱却が住宅ローン破産を呼ぶ 20XX年1月10日(金)。午前6時に人形町のワンルームマンションを出て、徒歩で丸の内に向かう。出社前に近くのスターバックスに寄り、3800円のカフェモカを飲むのが私のささやかな贅沢だ。紙の新聞はずいぶん前になくなってしまった

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  • サラリーマンはどのように絶滅していくのか? – 橘玲 公式BLOG

    アメリカはなぜ銃社会なのか」でナッシュ均衡について説明しましたが、ここでは、日アメリカの雇用制度がふたつの解を持つナッシュ均衡であるという観点から、「サラリーマン」がどのように絶滅していくのを述べた『残酷な世界~』の未公開原稿をアップします。 この部分を削るかどうかは最後まで悩んだのですが、論旨が『貧乏はお金持ち』と同じなので、可読性を重視することにしました。 *                   *                   *                   *                   *                   *                   *                   * 経済学者の青木昌彦は、日の会社とアメリカの会社の違いをナッシュ均衡で説明している(『経済システムの比較制度分析』〈東京大学出版会〉)。 日の大

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