内閣支持率の低下、中川昭一財務・金融相の辞任など与党に強い逆風が吹く中で、麻生太郎首相が22日、来青した。首相が講演した自民党県連政経セミナーの会場では、「景気対策への強い決意を感じた」と評価する声が上がった一方、「人気が下降する首相が来ても党のイメージアップは期待できない」と否定的な反応も。与党にとって次期衆院選は厳しい戦いが予想されるだけに、関係者たちの複雑な心境が見え隠れした。 内閣支持率の低下、中川昭一財務・金融相の辞任など与党に強い逆風が吹く中で、麻生太郎首相が22日、来青した。首相が講演した自民党県連政経セミナーの会場では、「景気対策への強い決意を感じた」と評価する声が上がった一方、「人気が下降する首相が来ても党のイメージアップは期待できない」と否定的な反応も。与党にとって次期衆院選は厳しい戦いが予想されるだけに、関係者たちの複雑な心境が見え隠れした。 麻生首相は景気対策の重
自民党県連政治資金パーティーで講演するため、来県した麻生首相(22日午後、青森市のホテルで)=三上津与美撮影 麻生首相は22日、首相就任後初めて来県し、青森市内で開かれた自民党県連の政治資金パーティーで講演した。景気対策を最優先課題として取り組んでいく決意を強調し、次期衆院選に向けての結束を呼びかけた。だが、中川昭一前財務・金融相の辞任劇や小泉元首相の「麻生批判」など、首相の求心力低下は著しく、出席者からは期待と不安が入り交じる声が相次いだ。 パーティーには麻生首相のほか、党執行部から細田幹事長と保利政調会長も出席。県選出の自民党衆院議員や県議、支持者ら計約1000人が集まった。 「政府の経済対策は、定額給付金だけかと思われるのは明らかに間違っている。現実は75兆円のうちの2兆円の話。73兆円の話をしてくれなくちゃ」 麻生首相はこう述べ、約40分間の講演のうち、大半を総額75兆円の景気対策
「異変」は、麻生太郎首相の講演中に起こった。22日、青森市のホテルで開かれた自民党青森県連セミナー。首相は政府の経済対策を紹介しながら、「果たして民主党に任せて大丈夫か、と不安に思っている人もいるのでは」と会場に問いかけたが、反応は乏しかった。40分にわたる講演の後半には、約800人の聴衆から席を立つ人が何人も出た。 セミナーには細田博之幹事長、保利耕輔政調会長、地元・青森選出の大島理森国対委員長、津島雄二税調会長ら党幹部も顔をそろえていたが、空席が目立つ。最後まで会場にいた50代の男性は吐き捨てた。「野党批判、マスコミ批判。自民党は言い訳ばっかりだ」 22日に出た毎日新聞調査の「内閣支持率11%」。支持率の1ケタ転落も予想されていただけに、細田氏は「09年度予算案が通り、景気対策の効果が出てくれば、展開も変わる」と強調した。 しかし、週末に選挙区を回った自民党議員の「体感温度」は異なる。
麻生太郎首相は22日、青森市で開かれた自民党青森県連のセミナーで講演し、平成20年度第2次補正予算の関連法案が成立していないため定額給付金や高速道路値下げが実現できないことを指摘し、「2次補正自体は成立したのに実行に移せない。(民主党は)何のための反対か分からない」と述べ、参院で関連法案の採決に応じない民主党の対応を強く批判した。 その上で、首相は「米国のオバマ大統領が『チェンジ』というから、こっちもチェンジだという人がいるが、民主党に政権を任せられるか」と強調。「9月までに間違いなく衆院選を迎えるが、こういう政党に政権を渡したら不安だと思わないか」とまくしたてた。 さらに、将来の消費税率引き上げについて「おれたちの将来は財源もはっきりしていて、年金もなくならないと明確にしなければならない」と述べ、改めて意欲を示した。
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