民主党から大量の造反者が出るとの予想もあった内閣不信任決議案の採決だが、賛成票を投じたのは結局、小沢一郎元代表側近の松木謙公前農水政務官と、既に離党届を提出していた横粂勝仁氏の2人にとどまり、除籍された。 代議士会での首相の「退陣表明」を受け、不信任案に賛成する方針だった小沢元代表に近い議員のほとんどが反対に転じ、元代表と小沢グループ議員の一部、田中真紀子元外相ら計15人は欠席・棄権に回った。 だが、松木氏は代議士会後、改めて賛成を明言した。同グループの議員2人が、議員会館の小沢元代表の部屋へ「連行」して説得。それでも松木氏は「最後まで一人くらい(造反を)ちゃんとやらないといけない。(欠席する)小沢さんは小沢さん、僕は僕」と本会議場に入った。 議場内でも石川知裕衆院議員ら数人が席を取り囲んだり、渡部恒三最高顧問が通路に連れ出したりしながら説得を続けたが、松木氏は賛成の白票を握り登壇。否決後
社民党の福島瑞穂党首は3日昼の記者会見で、菅直人首相が福島第1原発の冷温停止を退陣のめどとしたことについて「続投宣言だと思う。昼間の(民主党代議士会の)発言と夜の発言にぶれはない」と理解を示した。 その上で、「鳩山由紀夫前首相の理解が間違っていたのではないか」と述べ、早期退陣を主張する鳩山氏に苦言を呈した。 また、「民主党で内部抗争ばかりするのはやめてほしい。野党も足を引っ張り政治空白を生むのは国民に対する背信行為だ。『いつ辞めるか』だけで国会が空転することはやめてほしい」と指摘した。
自民党の谷垣禎一総裁は3日午前の党総務会で、菅直人首相の早期退陣拒否発言について「昨晩の記者会見で約束をほごにした。進退を表明しておきながら、いつまでも居座るのはいかがなものか」と批判した。 東日本大震災の復興基本法案の早期成立には「さっさと協力していく」としたものの、「死に体政権にはこれ以上の協力はできない」と述べ、菅政権に対して徹底抗戦していく姿勢を強調した。 また、小池百合子総務会長は、総務会後の記者会見で「菅首相の昨夜の会見は続投会見だった」と指摘。菅首相の対応を批判している鳩山由紀夫前首相に対しては「今年の流行語になりそうな『私はいったい何だったんでしょうか』ということを鳩山氏がおっしゃる場面が出てくるのではないか」と皮肉った。
菅直人政権への内閣不信任決議案否決から一夜明けた3日。「不信任案に賛成する」として辞表を提出していた民主党の副大臣や政務官らの慰留、辞意撤回などの動きが続いた。東日本大震災の被災地復興に向け奔走してきた官僚からは「政治主導と言いながら、権力争いで復興事業を投げ出したことも、慰留されれば撤回する姿勢も理解できない」と怒りの声も漏れた。 被災地復興の方向付けを決める国土交通省の「被災の復旧・復興に関する検討会議」を主宰し、仮設住宅などインフラ復旧の指揮をとってきた三井辨雄(わきお)副国交相。1日に首相官邸に辞表を提出したが、首相から慰留され一転続投を明言した。同省幹部は「政治主導と言いながら、簡単に『辞める』と言うのはおかしい」。別の幹部は「昨日は丸一日仕事がストップした。政局の火種はまだ残っており、今後もこうしたことが起こらないか心配だ。被災地の住民に申し訳ない」と話す。 被災自治体の状況を
2日の内閣不信任決議案の採決直前に、菅首相が退陣を示唆したことで、民主党の小沢一郎元代表が描いた不信任案可決のシナリオは大きく狂った。 朝までの威勢の良さは影を潜め、採決では、多くの小沢グループ議員が反対票を投じた。2月に民主党会派からの離脱を表明した比例議員16人も、欠席・棄権はわずか3人で、自民党などからは「それでいいのか」「ふざけるな!」などとやじが飛んだ。 そうした中、松木氏だけは賛成にこだわった。除籍処分を懸念した小沢グループの議員が衆院本会議場に入ろうとする松木氏を羽交い締めにして連れ戻そうとする一幕もあったが、松木氏は制止を振り切った。 松木氏は本会議後、記者団に「一連の騒動に責任をとった。処分については沙汰を待ちたい」と述べた。党執行部は夜、松木氏の除籍を決めた。 「小沢の乱」が不発に終わり、グループは意気消沈している。中堅・若手衆院議員でつくる「一新会」の鈴木克昌会長らが
株式会社NO BORDER代表取締役。社団法人自由報道協会代表。元ジャーナリスト。1968年福岡県生まれ。都留文科大学卒業。テレビ局記者、衆議院議員公設秘書、ニューヨーク・タイムズ東京支局取材記者、フリージャーナリストなどを経て現在に至る。著書に『石原慎太郎「5人の参謀」』 『田中真紀子の恩讐』 『議員秘書という仮面―彼らは何でも知っている』 『田中真紀子の正体』 『小泉の勝利 メディアの敗北』 『官邸崩壊 安倍政権迷走の一年』 『ジャーナリズム崩壊』 『宰相不在―崩壊する政治とメディアを読み解く』 『世襲議員のからくり』 『民主党政権は日本をどう変えるのか』 『政権交代の内幕』 『記者クラブ崩壊 新聞・テレビとの200日戦争』 『暴走検察』 『なぜツイッターでつぶやくと日本が変わるのか』 『上杉隆の40字で答えなさい~きわめて非教科書的な「政治と社会の教科書」~』 『結果を求めない生き方
◇避難先での町民逮捕に「おわび」 福島第1原発事故で福島県双葉町から埼玉県加須市に避難していた男が児童買春・ポルノ禁止法違反容疑で警視庁に逮捕される事件があり、双葉町が被災町民への義援金支給辞退を決めていたことが分かった。町民からは「なぜ辞退するのか」との抗議が町に相次いでいる。 5月25日に逮捕されたのは、自称祈とう師の佐藤昌弘容疑者(57)。逮捕容疑は3月22~23日、都立高校の女子生徒(17)に「生き霊がたたっている。除霊するので裸の写真を送りなさい」などと言って電子メールで写真を送らせたとしている。 井戸川克隆町長は1日、約1000人が役場機能ごと避難する加須市の旧埼玉県立騎西高校での住民集会で事件に触れ、「おわびの気持ちから義援金を辞退する」と表明した。出席していた議員からは「聞いていない」「辞退はおかしいのではないか」との声も上がったという。 突然の「辞退」は2日、双葉町民約7
内閣不信任決議案に賛成票を投じた横粂勝仁衆院議員は国会内で、「菅さんが替わるべきだという賛同者があれだけいながら、結果として、少数の方しか賛成に投じない。それは裏に何があったか、国民は不思議に思っているし、私も不思議だなと。分かりにくい政治を終わらせなければいけないなと思っている」と述べた。
先月の30日、いわゆる「君が代不起立訴訟」について、最高裁が原告側の上告を棄却する判決を下した。 興味深い話題だ。 が、記事として取り上げるのは、正直に言って、気が重い。 今回は、私自身のこの「気後れ」を出発点に原稿を書き始めてみることにする。 「君が代」について書くことが、どうして書き手にストレスをもたらすのか。 「君が代」の最初の課題はここにある。圧力。見逃されがちだが、大切なポイントだ。 気後れの理由のひとつは、たとえば、コメント欄が荒れるところにある。 愛国心関連の記事がアップされていることが伝わる(どうせ伝わるのだよ。どこからともなく。またたく間に)と、本欄の定期的な読者ではない人々も含めて、かなりの数の野次馬が吸い寄せられてくる。その彼らは、「売国」だとか「反日」だとかいった定型的なコメントを大量に書きこんでいく。休止状態になっている私のブログにも、例によっていやがらせのコメン
鳩山由紀夫前首相は3日午前、菅直人首相が早期退陣を否定していることについて「きちっと約束したことは守るのはあたり前だ。それができなかったらペテン師だ」と述べ、激しく非難した。都内の自宅前で記者団に語った。 鳩山氏は2日昼の民主党代議士会直前に首相と面会した内容に関し「復興基本法案の成立と平成23年度第2次補正予算案の編成のめどがたったら(首相の座から)お引き取りいただくということに、首相は『結構だ』と言った」と強調した。 その上で「不信任案(採決の)直前には辞めると言い、否決されたら辞めないと言う。こんなペテン師まがいのことを首相がやってはいけない」と指摘。「人間としての基本にもとる行為をしようとしているのなら、即刻党の規則の中で首相に辞めていただくように導いていかなければならない」と述べ、両院議員総会を開いて首相に早期退陣を求める考えを示した。 不信任案に賛成した松木謙公前農水政務官ら2
自民、公明など野党各党が狙った菅政権打倒、そして民主党分裂に向けた内閣不信任決議案の可決は2日、不発に終わった。 もともと長老らの動きに懐疑的だった石破政調会長は採決後、記者団に「『小沢・鳩山チルドレン』のような人たちが決起する、という誤った情報に踊らされて高揚したのは、間抜けだった」と批判した。 他の野党も、首相が辞任の時期を明確にしなかったことについて、「極めて無責任」(公明党の山口代表)、「政治の信頼性を徹底的に失墜させた」(新党改革の舛添代表)と批判を強めている。今後の国会審議では、そろって首相に早急な退陣を迫る構えだ。自公両党は、民主党が自公案丸のみで大筋合意している復興基本法案の早期成立には協力するが税収不足を補う赤字国債の発行に必要な特例公債法案の成立は阻止する構えだ。 また、鳩山前首相が首相退陣のメドとして言及した2011年度第2次補正予算案への対応について谷垣氏は「2次補
自民党の後藤田正純衆院議員(41)が、銀座高級クラブのホステスと都内のバーでキスをするなどの行為に及び、そのまま議員宿舎に宿泊させていたことが2日、発覚した。今日3日発売の写真週刊誌「フライデー」が報じている。同誌によると、後藤田氏は5月24日未明、六本木のバー店内で人目をはばからずホステスとキスをして胸を触るなどの行為を続け、同店のトイレに約20分こもって出てこなかったという。さらに議員宿舎に招き入れ、ホステスが再び姿を現したのは同日朝8時ごろだったという。後藤田氏の事務所によると、本人は事実を認めており、議員宿舎を引き払い、現在就いている役職を全て辞任すると話しているという。後藤田氏は04年3月に女優水野真紀(41)と結婚。翌年4月には長男が誕生している。 [2011年6月3日10時2分 紙面から]
クリックして拡大する衆院本会議で、自民党の大島理森副総裁(手前)による内閣不信任決議案の趣旨弁明を聴く菅首相(奥右端)=2日午後 究極の延命策だった。 2日正午すぎ、衆院講堂で開かれた民主党代議士会。くしくも1年前の同じ日、鳩山由紀夫前首相が辞任表明した同じ舞台で、菅直人首相は顔を紅潮させながらマイクを握った。 「この大震災の取り組みに一定のめどがついた段階で、私がやるべき一定の役割が果たせた段階で若い世代にいろいろな責任を引き継いでいきたい…」 シンと静まりかえる会場。「私にはまだ松山のお遍路を続けるという約束も残っている」。平成16年に民主党代表を辞任後に頭を丸めて始めた四国八十八カ所の霊場巡りの再開まで持ち出したことは「重大決意」を強く印象付けた。 2日朝まで内閣不信任案が可決される公算が大きかった。戦後5回目の不名誉が目前に迫り、ついに首相が「自発的な退陣」に言及したかに見えたが、
首相は退陣の具体的な時期について、「(東日本大震災の)復興に向かって第2次補正予算(編成)や体制作りが必要となる。(福島第一)原子力発電所事故の収束も安定的な形にもっていくには努力が必要だ。新しい社会づくりの方向性に一定のめどがついた段階だ」と述べ、続投に意欲を示した。 原発事故の「一定のめど」がつく具体的な時期としては、事故の収束に向けた、政府と東京電力の工程表で今年10月中旬から来年1月中旬終了をめどとした「ステップ2」で、「放射性物質の放出がほぼなくなり、冷温停止状態になること」だと説明した。 内閣不信任案採決前に鳩山前首相と会談した際に交わした覚書に関しては、「文書に書かれた以外の何らかの約束などは一切ない」と述べ、退陣時期を確約したものではないとの認識を示した。 これについて、鳩山前首相は2日、「(首相は)人を裏切っている。両院議員総会を開いて辞めさせるしかない」と周辺に語り、強
攻防の舞台裏を検証した。(文中敬称略) ◆極秘作業◆ 菅の退陣に関する条件なのかどうかを巡って解釈が割れた鳩山前首相と菅の間の覚書は、菅の指南役、北沢防衛相と鳩山の側近、平野博文元官房長官が極秘にまとめ上げたものだ。 「鳩山は時間をかけて話をすると、あっちへ行ったりこっちへ行ったり揺れるから、一気にやろう」 平野と北沢が覚書作りに着手したのは1日夜。鳩山は不信任案賛成の意向を表明済みだったが、平野は鳩山の、北沢は菅の意向を確認しながら、何度も電話で文案を詰めた。 2日午前、首相執務室。北沢は覚書を手に、枝野官房長官とともに菅に向き合った。 「2次補正の編成とは、成立のことか」 いぶかる菅に、北沢は「そこはぼかさないとダメです」と進言した。 約1時間後、菅は平野、岡田幹事長らの前で鳩山と覚書を交わした。鳩山は覚書を退陣条件と考え、署名を求めた。菅は「党の中のことだから、信用してほしい」とかわ
【ワシントン=佐々木類】米紙ワシントン・ポスト(電子版)は2日、「菅直人首相が不信任決議を乗り切る」「将来の退陣を表明」と報じた。 しかし、菅氏を支持する議員の話として、「(オバマ大統領に招待された)今年9月前半の訪米まで続投するだろう。早くても来年1月までかかる原子炉の冷却まで続投することだって可能だ」と伝えた。 また、首相自身が後継に関し、世代交代に言及したことについては、「いろいろ若い政治家の名前が挙がっているが、ふさわしい指導者はだれもいない」という日本の政治評論家の見方を紹介した。 一方、米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)は2日、「民主党の内部抗争は、日本政府が東日本大震災からの復興にきちんと取り組むことが出来るのか疑問符をつけた」と解説した。
1940年長野県生まれ。東京大学文学部、北海道大学法学部卒業。 83年、衆議院議員初当選。93年6月、新党さきがけ結成、代表代行。 細川政権発足時、首相特別補佐。第一次橋本内閣、経済企画庁長官。 現在、福山大学客員教授、「民権塾」塾長。 田中秀征 政権ウォッチ かつて首相特別補佐として細川政権を支えた田中秀征が、期待と不安に溢れた現政権の動向を鋭く斬り込む週刊コラム。刻一刻と動く政局をウォッチしていく。 バックナンバー一覧 菅直人内閣に対する不信任票が反対多数で否決された。 当日未明まで不信任案に賛成する民主党内の勢力の勢いが衰えず、あのままでは可決される可能性が高かっただけに、鳩山由紀夫前首相との会談は、首相にとって“渡りに舟”であったに違いない。 退陣時期を明確にしなかった菅首相 会談した鳩山氏の怒りは大きいはず 一般的には、民主党代議士会や衆院本会議の経過を見て、また各種メディアの報
異論正論 石破 茂 (著) 政策至上主義 石破 茂 (著) 日本列島創生論 地方は国家の希望なり 石破 茂 (著) 石破茂 非公認後援会 どんどろけの会(著) マンガで読む国防入門 石破 茂 (著) 原 望(著) 日本人のための「集団的自衛権」入門 石破 茂 (著) 日本を、取り戻す。憲法を、取り戻す。 石破 茂 (著) 真・政治力 石破 茂 (著) 国難 石破 茂 (著) こんな日本をつくりたい 石破茂 (著), 宇野常寛 (著), 田村昌裕 (写真) 国防(文庫版) 石破 茂 (著) 日本の戦争と平和 石破 茂 (著), 小川 和久 (著) 軍事を知らずして平和を語るな 石破 茂・清谷 信一 (著) 国防(単行本) 石破 茂 (著) 坐シテ死セズ 石破 茂 ・西尾 幹二 (著) 職業政治の復権 石破 茂 (著) 石破 茂 です。 菅内閣不信任案は、松木議員、横粂議員の二名が賛成、小沢一
菅首相は2日夜の記者会見で、6月22日が会期末の今国会の会期延長幅について、「『国会の中で必要なことはいつでも議論できるようにしてほしい』という国民の意見に答えるとすれば、事実上の通年国会、12月のある時期までということになる」と述べ、年末までの大幅延長に前向きな姿勢を示した。
クリックして拡大する衆院本会議で菅内閣に対する不信任決議案の採決が行われ、記名投票をする議員=2日午後、国会・衆院本会議場(酒巻俊介撮影) 可決確実と思われた内閣不信任決議案が一転して不発に終わったことで自民党は茫然(ぼうぜん)自失に陥った。2日朝に「採決を待たずに菅直人首相が辞任する」との情報が駆けめぐり、はしゃいだだけに気恥ずかしささえ漂う。「首相延命の茶番にしてはいけない…」。谷垣禎一総裁はこう語るしかなかった。 衆院本会議直前。首相が条件付きで辞任表明し、造反を明言した鳩山由紀夫前首相らも否決に回る-。テレビ中継でこうした情報が入ると、自民党は一気に意気消沈した。 「おそらく皆さまは民主党代議士会の模様をお聞きになっていると思う。首相は一定のメドがついたとき辞めるというが、一体いつメドがつくのか。はっきり言えば茶番にすぎない!」 代議士会で谷垣氏が青筋を立てると、会場からは苦し紛れ
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