昨年12月25日、「新しい歴史教科書をつくる会」(会長筆者)が関与した自由社版の中学校用歴史教科書が、最終的に検定不合格となつた。この20年間、5回の検定合格を得てきた「つくる会」系の教科書が不合格となつたことは、何とかして「つくる会」系の教科書を抹殺したいといふ文部科学省担当者の不当な意図によるものと考へざるを得ない。 ●「つくる会」に不合格処分 教科書検定は、文科省が定める基準に従つて行はれるが、簡単に述べると、誤字脱字をチェックし、事実の誤りを正し、内容が児童生徒に教へるにふさはしいかどうかを調べるのである。そのチェックした全てを検定意見といふ。 検定申請後、数ヶ月経つて、文科省から検定意見が提示される。どの会社の教科書にも、少なくとも100個程度の意見がつく。ここで、担当官とやり取りをして修正した教科書を提出し、検定意見がゼロとなれば合格となる。 かつては、検定意見の中に、強制力の
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