ついに政府が世界平和家庭連合(旧統一協会)の解散命令を東京地裁に請求した。私は昨年10月31日付の本欄で、福音派キリスト教信者として「政府と国会が現在進めている旧統一協会への対応に恐怖を感じている。…なぜなら、信教の自由という憲法で保障されている大原則によってこれまでできないとされてきたことが、次々とできることにされているからだ」と書いた。その恐怖はより強くなっている。特に、キリスト教、仏教、神道などのリーダーを含む宗教法人審議会が解散命令請求に全会一致で賛成したことに戦慄を覚えた。 ●宗教団体への「人民裁判」 今回、文部科学省は解散命令請求の根拠として「法令に違反して、著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為をしたこと」(宗教法人法81条1項1号)だけでなく、「宗教団体の目的を著しく逸脱した行為をしたこと」(同2号)に該当すると主張した。宗教団体に対する死刑宣言のようなものだ。