国民共通の財産であり、将来に引き継ぐべき国の重要文化財が、100点以上も所在不明になっていることが1日分かった。一部の重文については文化庁が長年にわたり所在確認を怠るなど、チェック体制の不備も浮き彫りに。いつの間にか中国でオークションにかけられていたケースもあり、海外への流出も懸念されている。 文化庁によると、昭和11年に「重要美術品」に認定された仏教文書「辨(べん)非(ひ)集(しゅう)」が今年7月、中国浙江省で開かれたオークションに出品され、約8千万円で落札されていたことが分かった。辨非集は京都・高山寺が所蔵していたが、行方が分からなくなっていた。 重要美術品は、昭和25年施行の文化財保護法以前の認定文化財だが、現在でも無断で海外に輸出することは禁じられている。中国でのオークション出品に対し下村博文文部科学相は1日の閣議後会見で、「今後、インターネットなどで美術品市場を随時確認し、重要美