いま、喪(うしな)われた国家観を取り戻さずして、いつ取り戻すのか。いま、日本人の憲法を取り戻すべく力を尽くさず、いつ取り戻すのか。日本を取り巻く安全保障上の危機、日本に突きつけられている歴史観等の不条理な批判に、対応もせず主張もできない国であり続けてよいのか。それとも、日本人であることを自覚し、歴史を知り国柄を理解し、自ら国と国民を守ることに目覚めた国家になりたいのか。 このところの憲法論議を聞いてそんな思いを抱かざるをえない。 安倍晋三首相への支持率の高さは、首相こそこの重大な分岐点に立って、正しい選択をしてくれると多くの国民が期待しているからである。安倍政権の課題は経済再生を筆頭に山積しているが、焦眉の急は、間違いなく、憲法改正である。 各種世論調査でも憲法改正を望む声は過半数から60%に達している。現行憲法では、平和も国も国民も守れない。「3・11」のような自然災害からも、北朝鮮が1