保有してはいるが、憲法上、行使はできないとされている集団的自衛権の扱いについて、政府の国家戦略会議の「フロンティア分科会」が、報告書で「全く異なる時代状況下で設けられた政治的・法的制約を見直す」とし、行使を容認する必要性を提起した。 野田佳彦首相は、9日の衆院予算委員会で「提言も踏まえながら政府内での議論も詰めていきたい」と語った。 自民党政権時代から「権利は保有しているが行使できない」という憲法解釈は変更されぬままで、日本の安全保障の大きな足かせになってきた。日米安保体制についても、集団的自衛権を行使することで、初めて両国が対等な相互防衛体制を確立できる。 それだけに野田政権による行使容認の提起を高く評価したい。 安倍晋三政権下で設けられた「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」が平成20年にまとめた報告書は、米国を狙った弾道ミサイルの迎撃などの具体例を挙げて政府に実現を求めた。 自