新国立競技場建設計画に続き、五輪エンブレムも白紙撤回された。しかし、今回も原因究明と責任追及が行われていない。遠藤利明五輪相は記者会見で「組織委員会、審査委員会、デザイナーの三者三様の立場で責任があると思う」と述べたが、誰も明確な責任をとっていない。 かつて丸山眞男は極東軍事裁判を分析し、指導者たちが誰一人責任をとろうとしない有り様を「無責任の体系」と呼び、批判した。丸山はそこで≪問題なのは、自ら現実を作り出すのに寄与しながら、現実が作り出されると、今度は逆に周囲や大衆の世論によりかかろうとする態度自体なのである≫と述べている。 武藤敏郎・東京五輪組織委員会事務総長は白紙撤回の理由として「一般国民から受け入れられない」ことを挙げたが、まさに「周囲や大衆によりかかろうとする(=大衆のせいにする)態度」と言えるだろう。戦後七〇年が経過したが、我々は何一つ変わっていないのである。 しっかりとした
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