〈本の紹介〉孫崎享著「戦後史の正体 1945-2012」を読む 2012年12月07日 15:55 文化・歴史 戦後最大のタブー「米国の圧力」を解く 現在、話題になっている本である。刊行から2カ月で七刷を数えている。本書は、長年外交の現場にいた筆者が、「体験した事実をもと」に、これまでタブーであった「米国の圧力」を軸に日本の戦後史を読み解いたものである。「高校生でも読めるように」とのリクエストに答えて書かれただけにあって大変読みやすい。 本書の内容 本書は、戦後の日本外交を動かしてきた最大の原動力は、米国から加えられる圧力と、それに対する自主路線と追随路線のせめぎ合いであり、この二つの外交路線の相克が日本の戦後史全体の骨格になっていたと強調する。 このような観点から1945年から現在までの戦後史を年代順に七つの章を立てて描き、歴代首相たちを対米追随派・自主派・一部抵抗派と分類している。長期