日本外務省は朝鮮人労働者の戦時動員の実態を広報せよ、という西岡力氏の意見(「今週の直言315回」)に賛成である。西岡氏は朝鮮人労働者の戦時動員の実態について5点ほどを記しているが、より基本的な問題に注意を喚起したい。 それは1910年~45年の35年間、朝鮮人も日本国民だったのだということが韓国ではほとんど知られていないということである。近年、戦時中の朝鮮人の被害者性にまつわる韓国からの批判がくり返されているのは周知の通りだが、それはなぜなのか。私見によれば、それは彼らがかつては日本国民だったということを忘れているからで、日本人が韓国人を日本人たちの戦争にかり出したのはけしからんというのがその心理であろう。 しかしその実、1910年~45年の35年間、朝鮮人は日本国民であった。そもそも、朝鮮人労働者はなぜ戦時に動員されたのか。それは内地人(日本人)への徴兵が拡大し、それによって生じた労働力