■「アジア諸国が反発」の虚構 日本の安全保障や歴史問題を考えるときのアジアという概念を根本から変える時期がきたようだ。 日本の首相が憲法改正を唱える。政治家が靖国神社を参拝する。慰安婦問題の虚構を指摘する。と、反対派からは「アジア諸国が反発する」とされるのが年来のパターンだった。「日本はアジアで孤立する」という断定も多かった。 だが実際にはその種の言動に文句をぶつけてくる国は中国と韓国だけなのである。無法の北朝鮮は近代国家の要件に欠けるからこの際、除外しよう。その他のアジアのどの国も地域も、政府レベルで日本の防衛増強や歴史認識を非難する事例は皆無なのである。 この現実は安倍晋三首相の7月下旬の3度目の東南アジア訪問でも立証された。わが日本がアジアではほぼすべての諸国に好かれ、頼りにされているという現実だった。日本が改憲を求めても、閣僚が靖国神社に参拝しても、なにも文句をつけず、むしろ、より