「親守詩(おやもりうた)全国大会」が10月に開催され、熊本県に続き鹿児島県で親学習を条文化した家庭教育支援条例が制定された。少子化対策としての従来の子育て支援策は、働く女性の子育て負担を保育サービスの量的拡大によって軽減することが主目的になり、親としての成長・発達を支援する「親育ち」支援という視点が欠落していた。親は、子育てを通して成長する存在であるから、親子がきちんと向き合う環境を整備する家庭教育支援が必要である。 松田茂樹氏(中京大教授)の『少子化論』(勁草書房)によれば、子育て期に「夫は仕事、妻は家庭という性別役割分業を行う『典型的家族』」が約8割の圧倒的多数を占めているという。 少子化の根因である未婚化は仕事と子育ての両立の困難さによるものではない。若年層の経済的自立を支援し、結婚、出産、子育てが「典型的家族」において困難になっている環境を整備しなければ出生率は回復できない。 男性