【ソウル=加藤達也】米国との自由貿易協定(FTA)批准案の強行採決に反対し、本会議場で催涙弾を破裂させた韓国の国会議員が「(伊藤博文を殺害した)安重根(アン・ジュングン)義士と同じ心境だ」などと発言し、保守系団体が辞職要求運動を予告する騒動になっている。 問題の議員は、野党・民主労働党の金先東(キム・ソンドン)議員(44)。今年4月の国会議員補選で初当選した人物だ。 24日付の韓国各紙は、各国メディアがこの騒動を「立場をわきまえない国会議員」の行動として嘲笑的に伝えていることを紹介し、「世界中の笑いものになった」(中央日報)などと報道している。 だが、騒動の直後から金議員の支援者の間では、催涙弾を破裂させたことを英雄的行為を示す「義挙」と評価したり、「催涙弾使用は間違い。手榴弾を投げるべきだった」などとあおり立てたりするような声が上がった。