東日本大震災に伴う東京電力福島第1原子力発電所事故を検証する国会の事故調査委員会が提出した最終報告書(7月)は、事故は「人災」だったと認定した。 報告書では、菅直人首相(65)らが「危機管理意識の不足を露呈」「指揮命令系統を破壊」「組織運営のノウハウも十分にない」「政府の総力の結集がむしろ困難になるような対応を取った」と、切り捨てた。菅氏が事故翌日の昨年3月12日早朝、第1原発に乗り込んだ問題でもこう言い切った。 「菅首相の現場視察は、現場の士気を鼓舞したというよりも、自己の『苛立ち』をぶつけることで、むしろ作業に当たる現場にプレッシャーを与えた」 要するに「指揮官の重責に必要な心構えが不足していた」(報告書)のである。だのに、菅氏は昨年8月の退陣表明で「やるべきことはやってきた。残念ながら、十分国民に理解してもらえていない」と開き直った。その前後も、弁解ばかりが鼻に付いた。反省なき鳩山・
連日、ロンドン五輪のテレビ中継で寝不足が続いている。サッカーやテニスさえ日頃は観戦することもない私にとって、体操、競泳、フェンシングなどはオリンピックでもなければ目にする機会もない競技である。それでも、衛星中継を見ながら日本人選手の活躍に一喜一憂してしまう。 しかし、翌日の朝刊の1面に「誓いのメダル」や「奇跡とは呼ばせない」などの大見出しを掲げた記事を見ると正直げんなりしてしまう。もちろん、勝利の余韻にひたりたい読者も少なくないのだろう。国民的一体感を共有できるお祭りなのだからという声も理解できなくはない。 だが、「オリンピック休戦」が行われているわけでもなく、国内外の重要な政治・経済ニュースは数多く存在している。スポーツ記事にそれを退けて報じるべき内容が本当にあるのだろうか。 この問題を考えるとき、立ち返るべき古典的論文は、ウィルバー・シュラム「ニュースの本質」(1949年)である。シュ
日本共産党の山下芳生参院議員は10日放送のTOKYOMX「ゴールデンアワー」に出演し、どの世論調査でも過半数が消費税増税に反対であるにもかかわらず、民主、自民、公明3党が密室談合で決めて増税法案を可決させたことを「暴挙だ」と批判。民主党の公約違反であると同時に、自公がその片棒を担ったことに「怒りがいっぱいだ」と発言しました。 山下氏はまた「法案は通ったが増税実施までには衆院選と参院選がある。増税連合に厳しい審判を下し、廃止法案を通せるような新しい国会をつくりたい」と述べました。 これに対し司会の徳光正行氏は「国民の多くは選挙を望んでいる。我慢も限界だと思う」と話しました。 山下氏は、政府は増収分13・5兆円を全額社会保障に使うといいながら、民自公3党の修正で7兆円が防災を理由に高速道路や新幹線建設などの公共事業にあてられようとしていることを説明。視聴者からは「災害対策は必要だが、新幹線、高
日本航空のジャンボ機が群馬県上野村の御巣鷹の尾根に墜落した大惨事(1985年)から12日でちょうど27年です。単独機としては航空史上最悪の520人の命を奪った悲劇を繰り返さないため、「絶対安全の確立」という鉄則を深く心に刻む必要があります。 ところが、いま政府は航空機の安全にかかわる規制緩和を大規模にすすめています。「航空会社の低コスト化支援」が目的です。企業利益のため「空の安全」への責任を放棄することは許されません。 「コスト減」優先の発想 国土交通省は7月末、航空安全の規制「見直し」についての有識者会議報告書を公表しました。16の航空会社などが要求していた129項目のほとんどを受け入れ、実施工程を明記したものです。 民主党政権の掲げる「日本再生戦略」の一環として、格安航空会社(LCC)の参入などを拡大する狙いです。運航の安全問題に直結する項目が列挙されています。 その一つが、乗客が機内
科学立国の将来は大丈夫か。文部科学省の「全国学力テスト」で今回、初めて実施された理科の結果からは、こんな心配が浮かび上がった。 日本の行く末に影響しかねない問題でもある。理科の醍醐味(だいごみ)が身につくよう、授業のあり方などの改善が必要だ。 学力テストは全国の小学6年生、中学3年生を対象に4月に実施された。これまで両学年の児童生徒全員参加だったが、民主党政権の誕生で平成22年度から全体の約30%を抽出する形態に縮小された。また東日本大震災のため昨年は実施されず、今回は抽出方式の下では2回目となる。 子供の学力に、国民の関心は高い。学テの規模縮小は事実上、民主党の有力支持母体、日本教職員組合の意向に沿ったものだ。 だが、抽出から外れても問題をコピーして児童生徒に解かせる学校も多い。学力のきめ細かい分析を教育に生かし、公教育として国民の信頼に応える意味でも国は全員参加に戻すべきである。 今回
首相の靖国神社参拝について、是とする立場から「過去の過ちを繰り返さないために参拝すればいい」という意見がある。一見もっともらしく聞こえる。だが元タイ大使、岡崎久彦氏は著書『国家戦略からみた靖国問題』の中で、こうした考え方を退けている。 ▼それでは「英霊に対し『お前たちは悪い戦争のためムダに死んだ』というに等しい」からだ。岡崎氏は首相は本来は春、秋の例大祭に行くべきだとする。だが8月15日に参拝するのなら「特攻隊の戦士をはじめ、お国のために散った英霊の鎮魂のためであってほしい」と述べる。 ▼簡明で当然と思える、この首相参拝の目的が今や、どこかに忘れ去られてしまった。それどころか民主党政権になって、参拝の論議すら封じこめられている。ましてや靖国参拝が国の守りの基本でもあることなど、政治家の頭から消え去ってしまったらしい。 ▼国のために戦い亡くなった人の霊に政府の代表者が感謝しに行く。それは国土
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