「企業は今、巨大な内部留保を抱えていると思っております。幸いにして株価が上がり、輸出企業にとってはドルが高くなり、円が安くなったんで、明らかに思わぬ利益が入った分が収益として増えている。その増えた分で従業員の給料を上げようといわれる会社もある。ただ、ここんところは、われわれが強制してやらせることではありません。私どもは共産国家じゃありませんので」 8日の衆院予算委員会で、麻生太郎副総理兼財務相は、共産党の笠井亮氏から「企業の収益増が従業員の賃金アップにつながっていない」と批判されると、皮肉混じりにこう切り返した。麻生氏ならではのブラックジョークに、衆院第1委員室は笑いに包まれ、安倍晋三首相も「政権として麻生副総理の発言を撤回をしますが、経営者の皆さまに賃上げの要請するつもりでございます」と笑顔で答弁を続けた。 底抜けに明るい性格で、親しく付き合えば魅力が伝わる「半径2メートルの男」と呼ばれ