学校法人「神奈川朝鮮学園」(横浜市神奈川区)が運営する五校の児童生徒への学費補助をめぐり、県議会が「拉致問題に関する教科書作成や授業の実施」などを求める意見を付けて本年度予算案を可決したことを受け、県は二十七日の県議会委員会で、意見通りに授業が行われたとして補助金の交付手続きを始めると表明した。 県によると、二十五日、高級部三年生(日本の高校三年生)の「現代朝鮮歴史」の授業を、松森繁県民局長ら職員五人が通訳を伴って参観。県議会の意見を受けて作られた独自教科書に沿って授業は進められた。 教科書はB5判三十二ページで、北朝鮮が拉致を公式に認め、遺憾の意を表した二〇〇二年の平壌宣言を明記。今年五月に政府間で合意された拉致再調査を時事問題として扱っており、県は「日本に永住することを前提に、多文化共生を目指していくことの大切さが記述されていた」としている。