環境省が尖閣諸島(沖縄県石垣市)に生息する動植物の生態調査を年内にも実施する方針を固めたことが14日、分かった。絶滅危惧種のアホウドリの繁殖調査のほか、平成27年に作成した植生図の更新にも着手する。尖閣周辺の領海内には中国公船が頻繁に侵入しており、調査の実施などを日本の実効支配の根拠とする狙いがある。 アホウドリの調査には、人工衛星が撮影した高解像度画像を初めて活用する。環境省は衛星画像の解析技術の進歩に伴い、生息状況などの確認が可能だと判断した。政府は尖閣諸島の安定的な管理を目的に原則として上陸を認めない方針を決めており、実地調査は見送る。 環境省によると、尖閣諸島では魚釣島に生息するセンカクモグラなど11種の固有種を確認。一方で、国の天然記念物のアホウドリやセンカクツツジなど23種の動植物が環境省の絶滅危惧種に指定されている。昭和50年代に食用として持ち込まれて繁殖し、島の生態系を脅か