自民党科学技術イノベーション戦略会の渡海紀三朗会長(右)から提言書を受け取る岸田文雄首相。左は塩谷立議員=21日午前、首相官邸(矢島康弘撮影) 自民党科学技術・イノベーション戦略調査会(会長・渡海紀三朗元文部科学相)は21日、博士号を持つ官僚の能力の有効活用に向けた提言書を岸田文雄首相に提出した。岸田政権は、大学院で博士課程を修了した「博士官僚」の専門性を見直し、待遇改善を図りつつあり、与党としてもこれを後押しする狙いがある。 渡海氏は、人事制度改革などを求める提言を首相に手渡した後、官邸で記者団に「米国では(日本より多い割合で)博士号取得者が産業界や国際機関で活躍している。グローバルスタンダードに近い形を作ることが大事だ」と語った。 国際ルール形成を主導する国際機関の幹部は、博士号取得者が務めるケースが少なくない。世界保健機関(WHO)など15の国連専門機関の事務局長は博士が3分の1の5