日本企業の業績を支えてきたアジア経済に異変が生じている。中国、インド経済が急減速し、タイの大規模洪水が追い打ちをかける。近く本格化する上場企業の決算発表は、厳しい業績予想が増えそうだ デジタル一眼レフカメラの9割をタイで生産するニコン。現地法人が工場を構えるアユタヤ県のロジャナ工業団地に洪水の危険が迫ったことから、10月6日に操業を停止した。9日には団地内に浸水が始まり、すべての建物の1階部分が浸水している。工場内の水位は1mを超え、1階にある生産設備は被害を受けた。 例年、10月は年末商戦に向けて生産台数を増やす時期だ。ニコンは、タイの工場で一眼レフカメラを年間約500万台生産しているほか、交換レンズも6割以上をここで生産している。コンパクト型デジカメや新製品のミラーレスタイプのデジカメは中国で生産しているため影響はないが、高級機種である一眼レフは高い収益が見込める製品だ。操業停止が長引
